波

揺蕩う

夢を見る

私は誰かを待っている

誰を

わからない

駅のホーム

がたんごとん

電車が走る

どこへ

わからない

ゆらりゆらりとゆられてる

がたんごとん

隣に君がいる

寄り添っている

二人の秘密の場所

私たちの待ち合わせ場所

いつものところへ

がたんごとん

花を持つ私は揺られている

ゆらりゆらりと揺られている

花はあの人にあげるため

あの人の好きな赤い花

あの人は一緒にいた

私の知らないきれいな人

私のあの人はもういないこと

あの人がもう赤が好きでないこと

私は揺られている

がたんごとん

ゆらゆらゆらりと揺れている

私の心は揺れている

ぐらぐらぐらりとゆれている

揺られる揺られる

あなたはやはりともにいる

私の知らないあの人と

あの場所にいる

あれはだれ

雨が降っている

あの人たちをそこにとどめるために

あの人たちを祝福するように

あの人たちだけの世界がそこにある

寄り添うように雨宿り

あの場所へ向かう

思い出の場所へ

揺られる揺られる

がたんごとん

がたんごとん