第4話 全軍捜索開始

 デュエルの凍りついた一言は、玉座の間にいる全員を黙らせた。聞こえるのは、外の雨音と力強い雷の音だけだった。デュエルは更に問いかける。


「おい、そこのお前、最後にモンちゃんを見たのはいつだ?」


「え?あ・・・えっと確か数日前・・だった様な」


「んじゃあそこのお前は?」


「わ・・・私も確かゼネフル攻防戦の時の・・・」


 デュエルは様々な衛兵に問いただした。返ってくる言葉は殆どゼネフル攻防戦の時である。


「スケルトン捜索部隊、いるかしら?」


「ハッ、ここに!」


「ゼネフルの地を隈なく捜索しなさい。モンちゃんがいたら直ぐに連れて帰って来て!」


「かしこまりました。」



 スケルトン捜索部隊数名は、直ちに出動した。殆どの魔王軍は大きく深呼吸を行い、その場の雰囲気を柔らかく図る。


「ククク、まったくアイツは何処に行きやがったんでしょうなぁ、帰ってきたらこのスドムが説教を・・・」


「スドム、何してるの?」


「ンモォ?」


「んもぉじゃありません!あなたも探しに行きなさい!」


「は・・・はい〜〜〜!大至急〜!」

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 スドムが行った事により、ディボルテもドロークも素早く出て行った。

そうなると玉座の間にいる魔物達もこのままではいられない。


「うぉぉぉおおおおおおおおお!!」


 ドタバタと皆んな移動し、玉座の間から立ち去った。

ふと気づけば、玉座の間にはデュエルと大魔王ゲルディだけになっていた。


「やれやれトビザルの奴、まったく仕方のない奴よ、何処に行ってしまったのか知らんが、魔王軍全員で探してるんだから直ぐ見つかる、のうデュエル・・・」


「ゲルディ様!?何してんの?」


「ん?」


「ん?じゃありません!大魔王様ともあろう方がモンちゃんを探しもせず、モンちゃんを見捨てようとお考えとは・・・ウッ・・ウッ・・」


デュエルは翼で顔を隠し、泣き始めた。


「デュ、デュエルよ、ワシはなあ、ほら、あれだ・・・その・・・」


「な、なんですの?」


「ほら、もうすぐワシらは夫婦になるではないか、だからその準備をだなぁ・・・」


「そんな準備は必要ありません!それにあたしはまだゲルディ様にプロポーズの言葉を聞いていません!」


「ううう・・・(グサリ)」


 棘のある言葉をもらってしまったゲルディはショックを受けた。しかしここで落ち込むわけにはいかない。


「ほら、ゲルディ様?皆んなモンちゃんを探しに行ってるんですよ?ゲルディ様も早くモンちゃんを見つけてくださいな!」


「は・・・はい・・・」


 ゲルディはトボトボと歩き、玉座の間より出ようとドアノブに手をかける。

その時、再びデュエルが話しかけて来た。


「ゲルディ様?モンちゃんを見つけたその後に、プロポーズのアプローチを待っていますよ?」


 ニコリと笑うデュエル、大魔王のクセにその笑顔に弱いゲルディであった。





「は・・・はい・・・お呼びでございますか?コネット様!?」


「フフフ、いや、良いんだ、壺の中にいたら問題ない。逃げたりなんかしたら、殺すだけだし。」


「ひぃぃいいいい!殺さないで、殺さないで!殺さないで!」


 ガタガタな街外れの道を馬車が通っている。コネットの馬車には壺があり、そこにはコウモリモンキーEと小さく書かれていた。

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