第2話 魔界使い?
人界の王国、ドラパール。
商業、農業、政治、公共等申し分ない国であり、殆どの人々は貧しい事なく暮らしている。
そんな国を一代で築き上げたドラパール王は多くの国民から慕われ、兵士達にも人気があった。
しかしそんなドラパールにも一つだけ欠けている物があった。
それが貿易である。
貿易、つまり海の向こう側、別の大陸との交渉ができない国でもあった。ドラパールには海も湖もなく、他国との交渉には別地域にて交渉をしなければならない。その別地域は"ゼネフルの地"と呼ばれている。
ゼネフルは、魔界と人界の境目にある非常に複雑な地でもあった。北側に見える大海原から貿易船がゼネフルに入港すると一気にドラパール国まで馬車で運んでいく。少し時間がかかり面倒ではあるが、外国の品を手に入れるには、その手段しかなかった。
ドラパール
それ程このゼネフルの地は大切な場所なのである。
★
「〜と、言うわけでございまして、私の実験結果から申し上げますと、この魔界使いと言う職業を、このドラパール発祥の地に考えると共に、魔界使いが新職業としての認定を申請致します。」
このちょび髭の冒険者はドラパールでも3本の指に入るくらいの超有名ギルド、"ドランクジラフ"の副ギルドマスター、コネットである。
「わかりました。新職業の魔界使いの認定に、ギルド領事館ドラパール支所は全力を尽くしましょう。」
スタッフはコネットの申請を請けた。
「ありがとうございます。」
(フフフ、この新職業が世間に知れ渡れば、俺も有名人、金もがっぽり入る。)
「コネット様、いずれにせよこの領事館だけでは判断しかねます。王都タイニーのギルド大使館からの申請許可待ちとなりますので、数日お待ちくださいね。」
「勿論、では私はこれにて」
コネットはギルド領事館を去る。
このコネットという男、魔界使いといった職業をオリジナルで考えたと想定される。
一体魔界使いとは・・・
コネットは馬車の中にいた。どうやら自宅へ帰る様子。既にドラパール中心街から農地地帯へと移動していた。
馬車の中にはコネットの私物が幾つかあり、その中で一つ怪しい壺があった。
コネットは壺に向かって一言
「おい、出てこい」
「・・・・」
「またぶっ叩かれたいか?出てこいと言っているんだ。」
壺には何かがいる様子、ギルド領事館、申請、魔界使い、それらの話を聞く限り、おそらく壺には魔物がいるのではないだろうか・・・
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