なんの変哲もない朝の風景、のはずが

 早朝、なんの変哲もない普通のマンションの、きっとどこにでもあるゴミ出しの風景を描いたお話。

 と思いきや、ただそれだけではなかった朝の一幕のお話です。
 どうしよう、内容が内容だけにどうしてもネタバレになってしまう……。



〈以下ネタバレ注意〉

 物語の主軸はおばちゃんの存在にあるのですけれど、でもそれを語る視点を担うのが『彼』であるところが好きです。

 言うなればモブ的な存在であるところの『彼』、その目を通して経験した〝この出来事〟だからこその迫力。

 おばちゃんの普通でなさがより際立つというか、理不尽な怖さを唐突に浴びせられたようなショックがあって、そこが最高に魅力的なお話でした。