32話「な」
字余り
レムリア大陸 フルトクラーゲンのとある家
……
……。
意識が……戻った。
生きて……のか?
僕は確か……前から来た車から、美音奏を守るために……。
生暖かいアスファルトの上の、薄れていく視界に血だまりが広がる記憶がよみがえる。
そうだ、交通事故に遭ったんだ。
生きてた……。
美音奏は……?
俺は重たい瞼を開ける。
木造の天井が視界に映る。
病院?知らない天井だ……。
俺は身体を起こしてみる。
どこかが痛むわけではない。
周囲を見渡す。医療機器がない。
病院というより、家だ。
ふと隣を見る。
壁に掛かっている鏡に、俺の姿が映った。
「!?」
頭頂部から少し下の位置に、犬とか狼とか狐とかの耳が付いている。
誰だ?
夢か?
いや、リアルすぎる。
俺が寝ているベッドがある部屋の扉が開いた。
「よかった。意識が戻ったみたいだね」
紫色の髪の毛の少女が入って来た。年齢はたぶん、俺と同じくらい。
瀬菜に似てるな……。
「もう少し遅れてたら危なかったかもな」
少女の肩には、トカゲの様な生き物が乗っている。
「はじめまして。私の名前はドラセナ。こっちは相棒のリント。あなたの名前は?」
「え?」
忘らるる
完
忘らるる こたろー @rotaro-24
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