人の形をした物の持つ魔力

 人形に魅せられた男が、人形の素晴らしさを滔々と語るお話。

 人形、と言っても通常のそれではなく、自動人形(オートマタ)という物語上の存在です。

 もちろん、この自動人形の設定そのものにも魅力はあるのですけれど、しかし本作の肝はやっぱり主人公。
 切々と綴られる人形への愛の、その偏執的な手触りがものすごい!

 フィクションの物語ではありますが、人形の魅力そのものは現実の人形のそれと通じる部分もあったりして、なんだかゾクゾクするようなお話でした。