太極拳のことをもっと知りたくなる! 真に強き者の心の在り方とは

キャッチコピーにもある通り、これは「女子高生が太極拳で闘う」話です。
太極拳というと、中国の広い公園みたいなところで、大勢の人が揃ってゆっくりした謎の動きをしている拳法……?
本作を読むまで、私のイメージはその程度でした。

あの動きで闘えるの??どうやって??
その興味から読み始めた最初の数話で、ぐっと引き込まれました。
病弱でいじめられっ子だった舞ちゃんの体と心が、太極拳に触れたことで急速にすっきりクリアになる感覚が、まず鮮烈。
作者さまご自身も学ばれているという太極拳の教えも、すごく興味深く拝読しました。

肉体と精神が共に整い、鍛えられていく。
友を得て、自分の中の譲れない心に気付き、大事なものを傷付ける存在に立ち向かっていく。
作中でどんどん成長していく舞ちゃんの姿が眩しいです。
「上善は水の如し」。メインタイトルにもあるこの言葉の深いこと。
クライマックスの対決シーンは圧巻! 舞ちゃんが己を見つめて前へと進むラストも清々しく、爽やかな読後感でした。

いじめられっ子が強くなる成長譚がお好きな方には特におすすめです。
面白かったです!