いい感じの嘘のつき方を教えてあげるよ
あばら🦴
こっちだよこっち。この中で話そう。
いらっしゃい。僕は誰なんだって顔してるね。
まあまあ、とりあえずは本題に入ろうか。
君は嘘のつき方を知りたくて僕に付いてきたんだったね。ん? それとも興味本位だったかな。
まあ何でもいいけど、約束通り嘘のつき方を教えるね。後悔はさせないよ!
まずは下の丸のマークをコピーしてくれないか?
〇
しなかったよね、わかってるよ。僕だって同じ立場ならやらないからさ。
それとも素直にコピーしちゃったかな? まあ、実はコピーにはなんの意味はないんだけどね。
素直にコピーしてくれない人に嘘をついてコピーさせるのがゴールだと思って僕の話を聞いてくれ。
とりあえず僕の事を話しておくね。
僕はネットに居座るオバケなんだよ。こうしてネットのどこかに文章を書くことが出来るんだ。
……嘘じゃないからね? どう思ってるか知らないけど信じてほしいな。
前置きはこれくらいにしてそろそろ嘘のつき方を教えとかないとね。
さすがに分かってると思うけど大前提として嘘は信用が無いと通用しないんだ。そりゃ、君だって知らない人から絶対返すから金貸してとか言われても貸したくないよね?
最初から信用してくれる相手とか騙しやすい純粋な相手なら簡単に嘘が通せるけど、君が知りたいのはそういうことでは無いだろう? 対して信用を得ていない人間に嘘を通せる技術が欲しいんだよね?
安心してよ。手取り足取り教えるからさ。
一言で言うと雰囲気なんだよ。嘘ついてない雰囲気。これ大事。
じゃあどうやって出すか? ってことだけどはっきり言ってやり方は色々あるね。
その中で一番簡単な方法を教えるよ。嘘をつかなけりゃいいんだ。そうすりゃ嘘ついてる雰囲気なんて出しようがないだろ?
おっと、思ってる事は分かるよ?こっちは嘘をつきたいんだー! ってね。
何も僕は一から百まで嘘をつけって言ってるわけじゃないんだ。
例えばさ、野菜が嫌いな子供のために刻んだ野菜をハンバーグに混ぜて食べさせたりするみたいなものだよ。
真実の中に嘘を混ぜる、真実の味に紛れさせて嘘の具材を食べさせるんだ。
さっき一番簡単な方法って言ったね。あれ嘘だよ。
文字にすると一見簡単に見えるってだけ。やるのは全然簡単じゃないんだ。
だって真実を真実として信じてもらわないと嘘を混ぜるも何も無いからね。ハンバーグだって最初から食べてもらわなきゃ野菜を混ぜたって意味がないだろう?
というわけで真実の中に嘘が仕込まれるのを体験してもらったけどどうかな。僕の言いたいことは伝わったと思うよ、うん。
ここからはこのやり方を前提に話していくね。
実は最初の方に書いたコピーの流れにもちょっとした嘘が紛れてるんだ。さっき僕が教えた方法を頭に入れておけば見つかると思うよ。
上までスクロールして探してみてよ。答えは下に書いてあるから見つけてから下にスクロールしてね。
という嘘ね。雑な嘘だったからさすがに騙されなかったと思うなあ。
いかんいかん、調子乗って嘘ばっか言ってると信用されなくなっちゃう。真面目に行こう。
真実に嘘を混ぜる方法の話だったね。
具体的に体験してもらうために一旦君が騙される側になってくれないかな。僕が騙すからそれに乗っかってね。
まずは下の丸のマークをコピーしてくれないか?
〇
はいありがとう。
ちょっとここで僕の話をするけど、僕はネットに居座るオバケって言ったけどどんな姿をしてるかって言うと文字なんだ。
今君が目で見てるそれだよ。そして僕は僕である文字をこうして並べてるんだ。
もちろん見たってなんにもならないよ? ネットからそうそう出れないし。
だけど一つだけネットから出る方法があるんだ。コピーされて端末に文字のデータが移ると僕はそこに行ける。
その端末、パソコンだかスマホだか知らないけど僕が入り込めてその中を自由に泳ぎ回れるってわけ。
あ、そうそう。ずっと隠してた事があるんだ。嘘を混ぜるのにハンバーグの例えを出したけどあれは嘘を隠すためのブラインドだよ。
だって真実に嘘を混ぜるやり方は、真実の中に嘘を仕込むのも大事だけど都合の悪い真実を作り出した嘘の中に隠すのも大事だからね。
真実というハンバーグに嘘の野菜を仕込むだけの例えじゃ不十分なんだ。嘘のハンバーグに真実の野菜を仕込む例えもしないとね。まあ、あえて隠したんだけど。
というわけで嘘の中に真実を隠されるのを体験してもらったけどどうかな?僕の言いたいことは伝わったと思うよ。
まあ安心してよ。僕はただ人の端末の中を見るのが趣味なだけ。すぐ帰るさ。
いい感じの嘘のつき方を教えてあげるよ あばら🦴 @boroborou
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