時間制限
@mochinio
第1話
2020 6/19 14:58:43
ブーブーとスマホのなる音がした。立花がスマホを確認する。通知を見るのと同時に時間も確認した。一通のメールが届いていた。宛先を確認する前に内容を見ようとする。
【ゲームにご参加ありがとうございます!立花様にはゲーム参加者と殺しあって貰います。勝利条件は生き残ることです。】
という文面で送られてきた。立花は馬鹿げたイタズラかと思いスマホを閉じる。仕事中だからである。立花は24歳独身の家の近くの会社に勤める社会人だ。身長、体重、容姿は共に平均より少し上ぐらいだ。立花は東京の大学を卒業した後Uターン方式で実家近くに戻ってきた。別段理由はないが東京でしたいことも無かったので戻ってきた。
「おーい立花。今日飲みに行かね?いい居酒屋見つけたからよ〜。あそこはオニオンリングがうめぇんだ。」
と仕事中にも関わらず立花に話しかけたのは立花が勤めている会社の社長の篠田だ。篠田は立花の古い友人で立花の2つ上の先輩である。篠田はお調子者で仕事をほとんどせず立花に任せっきりである。その分立花は普通の社員よりも給料がたかく、生活には困っていない。
「なんですか篠田さん。まだ仕事中ですよ。定時まで2時間ぐらいありますし、他の人だっていますよ。」
と立花が言うと、篠田は立花の肩を組んで
「そんな辛気臭いこと言うなよ〜、俺とお前の仲だろ〜。」
「ですから仕事中です。区切りはつけましょうよ。篠田さん。」
篠田は渋々自分の責任戻りパソコンを起動した仕事をほとんどせずと言ったがそれは立花に比べてだ。立花の仕事量は凄まじい。普通の人が1ヶ月掛かるものも3日間あれば終わらせれるほどだ。しばらく静寂が続き時計の針が5時を指した。すると篠田が立ち上がり
「よーし。今日はここまでみんな帰れ〜。ただし立花は残れよ〜。」
立花は帰ろうとした。しかし捕まってしまい篠田に居酒屋まで連行された。居酒屋に入り運良く席が取れた。小一時間ほど飲むとまたブーブーと立花のスマホがなった。何気なくスマホを見ると昼に送られてきたメアドと同じだった。
【ゲームは本日の10時より始まります。戦闘のルールを説明を致します。】
2通目がきた。
【ルール】
1、日本から出てはいけません。もし出てしまった場合はこちらで削除致します。
2、殺す方法はどのような方法でも構いません。毒殺、撲殺、射殺などのいろいろな殺害方法で殺しあってください。
3、このことをゲーム参加者以外には話さないでください聞いたものはコチラで削除致します。
4、ゲーム参加者で手を組んでも構いませんが、最終的には殺しあって貰います。
5、ゲーム参加者は全部で20人。20人から減ることはあっても増えることはありません。
6、ゲームの期限は3年後の今日。つまり2023年の6月19日午後10時までです。それ以降、勝者で出てない場合はゲーム参加者には死んでもらいます。
7、ゲーム参加者には各参加者に1個づつ特殊能力を差し上げます。どのような能力かは本日の午後10にメールを送信します。
8、参加者が死んだ場合こちらからメールを送信しますので携帯電話は常に持ち歩いてください。
9、死体はこちらで回収しますのでご安心下さい。
10、このゲームの勝者にはゲームマスターに会う権利が贈呈されます。
以上がルールです。勝者を目指して頑張ってください。
立花がスマホを見ていると篠田が立花のスマホを見て
「お前もこんなメール来てたのか?馬鹿げてるよな。この時代にチェーンメールなんてなひっかかるやつなんかいるのかな。」
「篠田さんにも来ていたんですか。このメール。ほんとルールなんて書いちゃって案外凝ってますね。最近のチェーンメールは」
居酒屋おすすめのオニオンリングをほうばりながら篠田と飲んだ。口の中で広がる玉ねぎの甘み。篠田がおすすめするはずだ。とても美味しい。オニオンリングの他にはポテトサラダ、山芋鉄板、刺身の盛り合わせなど絶品料理ばかりだ。
一通り立花と篠田は飲み食いして居酒屋を後にした。料金はそれ程高く無かったがBは普段から金遣いが荒いので、立花に少し奢ってもらっていた。
「それにしも美味しかったですねぇ。ここのオニオンリング。また今度行きましょう。」
「だろ?美味かったな〜悪いが俺は今から友達とまた飲んでくるわ〜次はバーに行くだってよーお前も来るか?」
「大丈夫です。篠田さん明日も早いので飲むのもいいですが程々にしてくださいね〜。」
篠田はフラフラになっていたが気分が良さそうに街の方へ歩いていった。立花は少し不安があったが、そのまま自宅へ向かった。
2020 6/19 10:01:23
立花は家に帰って風呂に入ってそのまま寝た。
ブーブーとスマホがなったが立花は既に寝ていたため気づかなかった。
立花は朝起きてからニュースを見るのが日課だ。ニュースは色々な情報を手に入れれるので朝食のラジオ感覚として聞いていた。
「朝のじゃんけんターイム!!さぁ行くよ〜!」
この声が聞こえた時立花はいつも家を出る時間だ。子供の頃からテレビの音を聞いて立花は朝の時間を確認していた。そのせいでたまに遅れることもあった。
「ここでニュースです。昨夜未明山口県にお住まいの篠田 賢治さんがぐちゃぐちゃの死体になって見つかりました。」
時間制限 @mochinio
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