夢、日記

夏伐

白猿の惑星

 父と母と私で出かけていると、突然白い体毛の猿の襲撃にあった。やつらは大群でショッピングモールにいた私たちはあまりのことに逃げまどうことしか出来なかった。


 運よく白猿から逃げることが出来た私たちはショッピングモール内で隠れまわっていた。逃げまどう最中、私は父母とはぐれてしまった。見回りの猿がいない隙にバックヤードに駆け込んだ。


 するとそこには等間隔に並んだ人間と猿と原始人類がお風呂に浸かっていた。たくさんの管が監視台のような階段に続いている。その管の先にはスイッチが――私はそのスイッチを押すことにした。

 正確にはオフにした。


 すると、風呂に流れていた電流が止まった。風呂に浸かっていた人類たちは解放された。

 猿や原始人類たちも電気風呂でなくなったので興味がなくなったらしい、その場には私を残して誰もいなくなった。


 階段を降りると、猿が私に近寄ってきた。


「100円ちょーだい」


 刺激してはいけない、私は財布から100円玉を取り出すと白猿に手渡した。お礼に1円玉をもらった。

 白猿は私に背を向けて、近くにある古いゲームの筐体へ向かった。猿たちはそこに群がっている。


 コードに紛れるようにして落ちていた100円玉とゲーム用のメダルを拾った。


 大きな猫たちも近くにおり、


「からあげ、ちょーだい」


 と鳴いた。


 先ほどまでコインしか入っていなかった私の財布にはぎっちりとからあげが詰まっていた。

 たくさんの猫に一つずつからあげを渡す。いつの間にか猫は小さく子猫サイズになっていた。とてもおいしそうに食べている。


 バックヤードから出ると人類と白猿、そして白猿が開発したAIとの銃撃戦がはじまっていた。

 父母と落ち合うことができ、逃げた先にはAIに監視された猿たちが旧型のパソコンを必死にタイピングしている。

 その白猿たちは鼻にチューブを指しており、怪しげなガスを吸ってうつろな瞳で画面に向かっている。


 銃撃戦に巻き込まれながらも、私たちは巨大な路面電車のおもちゃのようなものを盾にしながら人類軍の元へと走り逃げた。


 白猿から逃げる生活がいつしかAIから逃げる生活に変わった。私たちはもこもこのパジャマを着ていた。白猿たちの中にもジャンプスーツを着ているものたちがいた。


 物資調達のために立ち寄ったショッピングモールではまだ電気が生きていた。売り場の電気は消えており、AIが定期的な見回りをしていた。


 様々な飲み物が入った家電の冷蔵庫を見つけ、飲み物をとる、と視線を感じる。冷蔵庫とアルミラックの隙間でもこもこのコートを着た白猿がこちらを見ていた。


 私たちは猿が騒いでAIが来るのを警戒し、飲み物を元の位置に戻した。猿は飲み物をとり、アルミラックに並べることを繰り返している。


 AIが近寄ってきたことを察知し、私たちは売り場に隠れた。AIは猿の動きを検知し、しばらく警戒していたが、もこもこのコートを着ていることで人間でも猿でもないことを確認し、また元の挙動に戻っていった。


 私たちはこれで物資調達が楽になると、ショッピングモールを飛び出した。


 途中すれ違う人々の服はもこもこのコートだったり怪獣のパジャマだったりとてもファンシーだった。


 ★


 目を覚ました私は、必死に夢日記をつけた……ことは覚えている。今日は早起きできた分、夢日記も落ち着いて書くことができた。

 最終的に猿もAIを管理しきれず、SFのセオリー通り知能爆発シンギュラリティを起こしたらしいAIの反逆が起きている。

 ネタにする分には上々だ。

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