真夜中というお題で、千佳は今、自らの執筆論を語ることに。

大創 淳

第十回 お題は「真夜中」……僕はまた、執筆に身を投じる。


 ――激戦! 今がKACの最高潮な盛り上がり。躍り出る作品たち。



 華やかな舞台。楽しい世界を創るその裏側では、子を愛する親のような想いが募っているのだと思える。真夜中に目を覚ませば……広がる幻想の世界。バルコニーに立つも、温い春の風は近し。春遠からじだ。僕はふと思うの、お母さんの気持ち。



 執筆を始める前は、思いもしなかったこと……


 僕が未来で経験するであろう子を宿すこと……


 女性にしか解らない痛み。きっと生きている中で最も痛いといわれる出産。……ママになる瞬間だ。ママは、子を守るのに命懸けで、命を育んできたの。命の重さを……


 そう思った時、僕は泣けてきた。


 僕が執筆を始めた頃は、お母さんのことを知ろうとし始めた頃だったの。大きな誤解もあったし、まだ……好きになれなかったから。僕はまだ、悪い子だったの。


 僕は自分のことを『僕』というけど、身も心も女の子。このパジャマの下も、正真正銘な女の子だから。お母さんと同じ女性。僕はきっと我が子を宿すの、彼氏との子を。


 とはいっても、僕はまだ十五歳……


 執筆を始めてから、急に盛んとなった未来設計……執筆する前とは大違いだった。


 それも、


 真夜中だから、素直に思えること。


 KACは、お題が出でてから二日の期限。土日挿むと三日の期限となるけど。その間で作品を育むの。書き出した作品は世に出たいとも。そして完結したいとも願っている。生まれてくる子と同じなの。生きた物語はその輝きで、読む人の心を動かす……


 僕がいつも思うことだ。


 きっと、誰もが思っていること。書き上がった作品には、どれも愛があるの。


 そしてどの作品にも使命がある。


 ――それは真夜中を超えた、夜明け明日へ向かうかけがえのないことだから。

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真夜中というお題で、千佳は今、自らの執筆論を語ることに。 大創 淳 @jun-0824

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