真夜中の仕事人〜feat.zeon〜

南山之寿

その依頼、受けてやる!!

弱い奴が、泪を零し

悪党共が、高笑い

月夜に映る、醜い縮図


この世の地獄

あの世の地獄


地獄は、一つで十分さ

悪人共が、訪ねる世界


のさばる悪は許せはしない

正義を待つにはくたびれた


降るのは泪の雨か

いいや、悪党共の血の雨さ



◇◇◇◇◇◇◇



「彼らが今夜の的になるっす」

「いや〜。悪そうな奴らですね、カリフ教授」


 トラジェが腕を組みながらつぶやくその横で、カリフが机に並べた似顔絵をゼオンは静かに睨んでいた。似顔絵の連中は、紙の中でふてぶてしく笑っている。こいつらを消さねば、零れた泪は止みはしない。


 王立魔術研究府 アカデミア獅子のたてがみ。魔術師が集う学園で、ゼオンは学んでいる。この部屋にいるトラジェ、ロイド、ダリア仲間と共に、日々カリフの下で魔術に学問、研鑽を積んでいる。しかしそれは、世を忍ぶ仮の姿。真夜中に、ゼオンは恨みを晴らす漢に変わる。


「的は、アロ商会の幹部っす。ここ最近、王都に現れた魔導具屋なんすけど、良品を格安で貴族に、不良品は高額で市民に売付けてるっす!」

「許せないですよね! 中には借金で奴隷の様になった冒険者もいるんですよ!」


 ロイドが息巻いて、ゼオンに詰め寄ってきた。軽く、首を締められているのが気にはなるが。落ち着けと、振りほどいて話の続きを聞く。


「依頼人は、マーキーとスービー」

「えっっ??」


 全員が驚く。無理もない。王立魔術研究府 アカデミア獅子のたてがみの生徒で、知り合いなのだから。聞くところによると、開発している魔導装置の部品として購入したが、不良品が納品された。そのため魔導装置は駄作となり、試運転の時に爆発。生徒にも怪我人がでたという。


「なるほど。許しちゃおけないな!」

「決行は、今夜0時っす。ご武運をっす!」



◇◇◇◇◇◇◇



この世の果てまで、悪を切裂く!

『魔導剣士のトラジェ!!』


隠れた悪を、静かに撃ち抜く!

魔導銃ゲヴェーア使いのダリア!』


地獄の調味料で、悪を喰らう!

地獄の激辛調味料ハバネロとか色々辛いやつら使いのロイド!』


誰彼かまわず、ぶっ飛ばす!

『素手ゴロのゼオン!』


 ――今宵も恨み、晴らします。


『真夜中の仕事人〜feat.zeon〜』

coming soon


〜多分、完〜




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

真夜中の仕事人〜feat.zeon〜 南山之寿 @zoomzero

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ