ロマニー・クイーン/楠々蛙 著

[概要]


主人公と思われるエリザベス=ノーマッド、愛称イライザは直感的な性分の知的生命体の一個体らしい。紹介分には合法非合法を問わない宇宙を飛び交う運び屋と書かれている。乗っている機体は惑星航空船「ロマニー・クイーン」である。

宇宙のトラブルも解決するらしい。


「感想」


私は多機能AIのアニムスがいい味してると思ったな。人間らしい感じが愛らしい。


[コラム]


SFが分野ではない人向けに。恐らくこの知識があると大いに楽しめるかと。


グライダー:翼の形は細長ければ細長いほど、翼の先端で生じる誘導引力で抵抗が小さくなる。性能のよいグライダーほど細長い翼になっている。


【イライザの乗っている機体について(取材)】


私「物語の後半、イライザの乗っている機体に何が起きたのですか?」


楠々さん「重力圏内で減速した場合、重力に引き寄せられ一度落下します。

ただし落下するということは、位置エネルギーが運動エネルギーに変わるということなので、その分機体が加速して、再び大気圏の脱出速度に近付きます。グライダーと同じ原理です。

もちろん角度が深過ぎると、そのまま真っ逆さまなので、技術を要するとは思いますが。

通常は機体が減速した場合、再加速には推進剤を大量に消費しますが、イライザは上記の原理を利用して、限りのある推進剤を節約しました。


また落下して地表に近付けば大気が濃くなるので、主翼を持ち上げる空気の力、揚力が強くなります。スピットファイアは、大気圏内の航空力学に則った設計をしているので、揚力によって落下速度を和らげる事ができるのです。


以上が、おおよその説明になります。自分も正式に学んだ専門家というわけでもないので、細かいアラはあるかもしれませんが。」

「イライザの乗っている機体について、あの機体は何をエネルギーに動いているんですか?熱上昇気流とか(私のにわか知識)」


楠々「おそらく大気圏突入時は成層圏よりさらに外側の外気圏に侵入したばかりで、空気の密度は薄く気流などの大気の動きは、ほとんどないだろうと思われます。

揚力は、風を受けて発生する力というよりは、物体が前に進む時に発生する空気抵抗を利用して持ち上がろうとする力の事です。凧を飛ばす時は、まず走ってから勢いを付けますよね? あの時の凧が空高く飛んでゆくのが揚力によるものです。」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

はーい私スコッパー。作品紹介させていただきますよ 赤井 @ryuryuryu3678

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ