たしかにこれは……。誰に言ってもヒーローだと答えないかもしれない。

主人公は、母親に支配されて育った。
母親は異常に主人公に執着した。
子供の頃は、それが異常だと気がつかなかった……。

加須 千花は読み進めるうちに、その異常さに、タイトルの「ヒーロー」という言葉をすっかり忘れてしまった。

そして、結末には……。

驚きとともに、ああ、たしかに、ヒーローだった、と思わずつぶやいた。

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