誰でもよかったなどと言うつもりはない……やるなら、最強の男だ
白川津 中々
■
無敵の人となってしまった俺はすべてがどうでもよくなったので人を殺そうと思った。
誰でもよかった。
そんなダサい言葉を連想すると寒気が走る。そういう奴はだいたい弱者を狙って攻撃している。それも、不意打ちに近い状態でだ。そんな真似、この俺にできるわけがないだろう。やるなら強い人間と戦って、そして、殺すのだ……!
「あんた正気か?」
男は飽きれながら俺に問いかける。
「狂ってるだろうよ」
男は「やっぱり」と返す。浮かべるは笑顔。獲物を前にした、獣の表情。
郷里 正人。
身長200cm。
体重160kg
総合格闘技世界チャンピオン。
1988年生まれ4月11日生まれのA型。
福岡出身で、喧嘩ばかりの子供時代を送る。
高校時代にレスリングと出会いその才能を開花。卒業後、格闘技の道へ進むと日本国内に留まらずUFCでも連戦連勝。向かうところ敵なしの化物。
好きな食べ物は海老ピラフ。
嫌いな食べ物はおくら。
趣味はボルダリングとドライブ。
妻子なし。女癖は悪くスキャンダルは数多にあるが、頭を下げた事は一度もない。
目の前にいるのはそいつである。
そして……こいつは俺の……
「いきなり来てよぉ……立ち合えって……お前、俺を知らなくてもさ、この体格見て普通喧嘩売ってこないだろう。Yotutuberかなにかか?」
まるでゴミでも見るかのように、郷里は俺を見据える。
そう、その目だ。その目が俺を、ずっと苦しめてきた。出会う人間すべてが俺を見下し、軽蔑し、馬鹿にしてきた。だから、だから俺は、お前を殺して俺を認めさせてやるんだ!
「どうでもいいんだよそんな事はぁ! 勝負は始まってんだよぉ! ぶっ殺してやる!」
突撃。
自分よりはるかに大きな相手に向かって走り、そして、拳がそいつに当たった。
手に走る筋肉の壁の感触。瞬時に分かる質量の差。皮の、筋肉の、骨の、血の密度が俺とまるで違う。鍛錬に鍛錬を重ね培ってきた身体は、歴然と俺を否定してくるのだった。
「~~~~~~~~」
そして吹っ飛ばされた。
平手で頬をやられた。口の中からカラカラと鳴っている。歯がもっていかれたのだ。血の味が広がり、意識が遠のく、痛みはあったがこれは……
「せめてあと30kgは増やしてから来なよ」
あぁ……郷里が去っていく……
っぱ敵わねぇなぁ……
郷里 正人。
身長200cm。
体重160kg
総合格闘技世界チャンピオン。
1988年生まれ4月11日生まれのA型。
福岡出身で、喧嘩ばかりの子供時代を送る。
高校時代にレスリングと出会いその才能を開花。卒業後、格闘技の道へ進むと日本国内に留まらずUFCでも連戦連勝。向かうところ敵なしの化物。
好きな食べ物は海老ピラフ。
嫌いな食べ物はおくら。
趣味はボルダリングとドライブ。
妻子なし。女癖は悪くスキャンダルは数多にあるが、頭を下げた事は一度もない。
そして……こいつは俺の……
俺の……ヒーロー……
誰でもよかったなどと言うつもりはない……やるなら、最強の男だ 白川津 中々 @taka1212384
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます