第4話夢の中で寝た。
夢の中で無性に眠くなってきた。もしかしてここで寝た場合夢が終わって目覚める可能性がある。しかし起きるのは今現在自分の心情ないで嫌だった。現実に戻るのが苦痛だったからだ。夢の中はある種のドーパミンが出ていて、絶賛快楽中であり自分の思うようにできる可能性がある。それを起きた場合一瞬で目が覚め現実に引き戻される。それはどうしても避けたかった。ためしに落ちていたバナナの匂いを嗅いでみた。とても良いにおいがした。食べれるのだろうか。普段なら毒の可能性を加味して食べないが僕は心の中で思ったことをその後、口に出して言った。「このバナナは今しがたもがれた新鮮なバナナでワープしてここまでやってきた」と。するとそのバナナに生産者の顔が見えるシールとQRコードが張られていて、僕は目から出したビームでそのコードを読み取ると脳内に生産者の情報が記憶の渦として大量に流れ込んできた。
この農家は無人販売を行っていてそれが田舎の道路の片隅ではなく道路の真ん中でそれを行っていることが分かった。僕はポケットをあさる。するとワンコインが出てきた。つまりは一円だ。ワンコインにも一円から500円まであるが、一円でも払えることが僕にはわかっていた。つまりは規格外商品。それもあってバナナを道路のど真ん中で売っているというのもあるのかもしれなかった。だがそれを踏んだものはつるりと滑るある種のトラップのような感覚もしないではない。しかしこの世界の道路交通法では道のど真ん中で品物を販売するのは違法ではないらしかった。それはあたりを見回したとき看板が目に入ったからわかった。
『道の真ん中で売る商品は成年のものは禁止です!』と。つまりは成年指定がなければ売ってもよいという事にほかならないのである。
夢の中でさまよう。 日本語破綻者 @mojiuchisyuukann
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