概要
品定めのつもりか……?
今日もまた、〝ヤツ〟がやってきた……。
言葉少なに要求だけを伝えて。俺の心の内などまるで掌の上だと言わんばかりに。
分かっている。
俺はヤツに気圧されている。
ヤツの射抜くような視線に、そのいつも通り〝過ぎる〟その佇まいに、恐れを抱いているのだ。
だがしかし――――
今日こそはそれを振り払ってみせる……!
ヤツのその澄ました顔を歪めさせ、〝俺〟という存在を眼に、脳に……その胸に刻み込んでやる……ッ!!
さあ、仕込みは万端だ。
かかって来い!!
俺の全てを懸けて、ヤツの要求を完全に満たしてやる!!!