第21話

エピソード21 ___ 魔石発電


「まぶしい。」

朝になり、陽の光が部屋に差し込み俺は目を覚ます。


まだ寝起きでうまく頭が働かない。いつものことだ。

いつも通り10分ぐらい布団でモゾモゾしようかと思ったが、リビングの方からコーヒーの匂いがした。


なんで、コーヒーの匂いがするんだ?

働かない頭で考えると、梨花と同棲していることを思い出した。


俺は布団でモゾモゾすることなく起きてリビングに向かった。


「あっ、おはよう!!悠真」


「おはよう、梨花」


「コーヒー入れてるから飲む?」


「ありがとう、もらうよ」

俺がそういうと梨花はコーヒーをコップに入れて俺に渡してくれた。


「はい、どうぞ!」

「ありがとう」

俺はありがたくコーヒーをもらう。


コーヒーを一口飲む。

コーヒーの苦味や匂いを感じて徐々に目が覚めてくる。


梨花はどうやら俺よりも早起きらしい。

昨日は同じ時間にベッドに入ったんだがな。。

まあ、俺はけっこう緊張してすぐに眠れなかったから当然かもしれないが。


「悠真〜、今日は何時ぐらいから ダンジョンに行く?」


「あ〜、そうだな〜」

俺は時計を見る。


「2時間後ぐらいに行こう」

「オッケー、じゃあその間に掃除機をかけておくよ。」


「ありがとう、梨花」


俺は日課である新聞を読む。

社会人だった頃、会社から新聞を読めという命令がありその時から新聞を読むことが日課になってしまった。

会社を辞めてからもその習慣が抜けていない。

まあ、悪い習慣ではないから別になんの問題もない。


新聞の一面には「魔石発電、持続可能性な社会の実現に有力視」とどでかく書いてあった。


魔石発電は二酸化炭素や汚染物質を発電中に出さないということで、魔石発電はグリーンエネルギーに認定された。


つい最近、ヨーロッパの一部で原子力発電をグリーンエネルギーと認定するような方針が出ていたが、魔石発電によって無くなった。


まあ、これは個人的な考えだが、原子力発電は二酸化炭素を出さない発電方法だったとしてもグリーンエネルギーと認定してほしくない。

原子力発電は二酸化炭素よりも危険なものを発電時に生み出しているように思う。


福島の事故から10年経っても自分が住んでいたところに立ち入ることが制限されている人がいる。


帰還困難地域と呼ばれる立ち入りが原則禁止されている地域が事故から10年もたったのにある。

原子力発電によって生じた汚染物質のせいでこのような地域がある。


事故から10年経っても自分達が事故前に住んでいた地域に住むことができない人たちの目の前で果たして「原子力発電はグリーンエネルギーです」と言えるのだろうか?


少なくとも俺は言えない。

「今の原発は安全だから大丈夫ですよ」と言われるかもしれないが簡単には信用できない。

だって、福島の原発事故の前に「原発は安全である」という今では原発安全神話と言われるものがあった。

まあ、本当に安全なら原子力で発電したほうがいいと思うが。


将来は魔石発電で原発もなくなるかもな。

ただし、まだ魔石発電は大量の電気を生み出せない(技術的な問題と魔石の数が少ないから)から、当分は従来の発電方法が続くと思うが。


未来でも一部の電力は魔石発電で補われていたが、世界の全ての電気を補えるほどは発電できていなかった。


新聞の一面を読み終え、ページをめくる。


そこには「現代のゴールドラッシュ、ダンジョンについて」と書かれている記事があった。


中を読む。

ゴールドラッシュとはある地域に新たに金鉱脈が発見され、その金を採掘しに大量に人が金鉱脈が発見された地域に行くこと。

ダンジョンの資源は金以上であるという見方がされており、ダンジョンに大量の人が行っている。


ならば、ダンジョン探索をする冒険者はめちゃくちゃ儲かるのではないか?そう思われるかもしれないがそれは違う。

正確にいうと冒険者は一般的な職業よりも儲かっている、しかし、その冒険者よりも稼いでいる人たちがいるのだ。


ゴールドラッシュの時を思い出してほしい。

ゴールドラッシュが起きた時、1番儲かったのは金を採掘しに来た人にスコップや食料などを売った人だ。


つまり、現代のゴールドラッシュでは冒険者に対して商売している人が1番儲かっている。

だから、冒険者に対して物を売っている「ララクス商事」の株価が暴騰している。



記事を読み終わる。

なるほどな、確かに冒険者に対して商売をした方が稼げるよな。

まあ、知ってたけど。

俺は未来でこのことを知った。


だから、俺は実はララクス商事の株を暴騰する前の安い値段で買っている。

そこから株価が約1.5倍になっている。

いや〜、最高だぜ。ララクス商事ありがとう。


そんなことを考えながら新聞を読む。


「あっ、そろそろ時間だな」

俺はダンジョン攻略に向かうために準備をする。


「じゃあ、行こうか」

「うん」

俺と梨花はダンジョンに向かった。


俺たちは当分の間は10階層までしか行かない。

10階層以降に行くことになると行きと帰りで2回10階層のボスと戦わないといけない。

まあ、大丈夫かもしれないが一応慎重に行く。

10階層までで十分にレベルを上げてからそれ以降の階層に挑もうと思っている。


俺と梨花は慣れた手つきでダンジョンを進んでいく。


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ダンジョンはもうかりますよ 農民侍 @nomin70

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