女神様が種族間違えて『88歳』で覚醒する勇者スキル∞∞を付与されていた事が判明したけど今更遅すぎるだろ

るるかチャンネル

88歳のジジイに勇者やれとか無茶過ぎるじゃろ

今日はワシの88歳の誕生日!!この世界では全ての人類にスキルが女神様より付与されるのじゃが。


ワシのスキル『∞∞』は、どんな効果があるのか?すら分からず、発動しないままジジイになってしまったのじゃ。


全ての人類にスキルが付与されるといっても優良・優秀なスキルはそこまで多くはない。


若い頃はワシの謎スキルは凄いスキルなはずと、どんな効果があるのか気にはなって色々試したが、スキルは一切発動しなかった。


スキルが発動出来なくても別に困った事は今まで無かったのじゃ。


その平凡な日常は88歳の誕生日に壊された!!目の前に突然現れた謎の美しい女性!


『私は女神です。勇者るるかよ、88歳の誕生日おめでとうございます。貴方の勇者限定スキル∞∞の効果を本日解禁します』


はぁ〜〜。女神様?この美しい女性は何を言ってるのじゃ?


不思議な目で自称女神様を見るワシに女神様が続けて話しかけてきた。


『勇者るるかよ、何故そのような老人の変装をしているのですか?』


老人の変装って何じゃ?


『女神様?ワシは変装などしておりませんのじゃ。88歳にしては若いと言われてるが、正真正銘の老人じゃよ』


それを聞いた女神様は驚いた顔をして更に早口で喋りだした。


『老人?エルフの88歳はこれから肉体的にも精神的にも全盛期を迎える年齢のはず、そんな年老いてるはずが無いでしょ?』


『まさか!!既に魔王の勢力が貴方に呪いを掛けたのかしら?アイツらズルしたのね。お父様に文句言わなくては…。』


『勇者限定スキル∞∞を縦にすると何か88ぽいって、私のユーモアを交えたスキル解除条件を付ける為に長寿のエルフを勇者に指定したのに、その前に呪うとかルール違反でしょ』


女神様は何か自分に都合が良い解釈を始め誰かに怒っているようじゃ。


『ワシは呪いなど受けてないのじゃ、それにワシはエルフじゃ無いのじゃ。正真正銘の生まれた時から人間じゃぞ』


女神様の顔から血の気が引いていく。


『私は確かにエルフに勇者スキルが発動するように設定したはず…。』


『そう言えばあの時…。お酒飲みすぎて…。』


『私が間違えてエルフじゃなく人間に設定してしまったの!?』


ヤバい。ヤバすぎるわ。


人間の寿命何て長寿でも100歳位、人間の肉体の全盛期は20歳〜30歳前後。


88歳とかどう考えても詰んでるでしょ。


勇者限定スキルは魔王vs勇者の戦いでどちらかが勝利した後、1000年は再設定ができない。


このお爺ちゃんが魔王と戦うしか無い。そして負ければ人類の滅亡を意味する。


人類の滅亡…。それは絶対にダメ。何とかしないと…。


女神はこのわずかの間に吹っ切れた!!ジジイ勇者の話しは無視、私がジジイ勇者の力を強引に引き出して魔王をボコればいいじゃん。


『勇者るるか、貴方に付与されるスキルは∞∞です。これは時間系の最上スキル。』


『スキルインフィニティは最大までスキル育てれば、時間を無限に止めることも可能』


『更に私が貴方に付与したのはインフィニティでは無く|∞∞《※※※※※


『説明禁止事項にあたるので追加効果は発動させれるようになるまで言えませんが』


『このスキルを極めれば魔王なんて相手にならないからね』


『5年も修行すれば上級の時空魔法で時間経過10分の1とかに出来るわよ』


自称女神様が畳みかけるように説明してくれたのじゃが。コイツ正気か?ワシの5年後は93歳…。そこから時間経過10分の1になっても何の意味もないじゃろ。


『女神様、この歳から勇者になるのはどう考えても無理じゃ』


女神様に話し掛けるも、ワシの言葉は全く聞こえて無いようじゃ。


女神様が何か更にブツブツ言っている。


『勇者加護が発動した時点で毒・病気によって死ぬことは無い』『死ぬのは外傷もしくは老衰』『勇者スキル発動でステータス補正も入ってる、本当は人類最強の力を手に入れるはずだけど、30代一般男性位の力はあるはず』『後は本当は付ける予定が無かった女神の加護(最上級)を付与すれば最低でも100歳まで老衰から回避できる』


人類最強ステータスになる予定が能力的に一般的30代で、女神の加護(最上級)を使って寿命延命したお爺ちゃんだけど、私なら勝利へ導けるはず。


『私は天才女神様よ!!勇者るるか、魔王を倒すわよ!!ぎゃーはははははっ』


女神はそのままジジイ、いや勇者るるかを掴むと引きずって冒険者ギルドへ。


るるかも必死に抵抗しているが、スキル補正があっても所詮は30歳一般男性程度の力。強引に引きづられて来たのでもうジジイはボロボロ。


そして、受付のお姉さんを女神が発見すると。


『この爺は勇者よ!!冒険者登録をしてくれるかしら?』


受付の『フィン』はヤバい女性に絡まれたと一瞬で判断した。


見た目は絶世の美女だが、何しろ瀕死の爺さんを引きずってきて、勇者だから登録してくれ。ヤバい奴じゃないわけがない。


冒険者ギルドにはヤバい奴向けのマニュアルがある。


【笑顔で逆らわずに対応する】


下手に逆らって危ない目に遭うよりも、難しい要求でなければ流して従った方が賢明


今回、このヤバい女性の要求は、ボロボロで今にも息を引き取りそうな爺さんの冒険者登録。


冒険者登録に年齢制限は無い。一般的には10代〜20代の登録が一番多く、数少ないが一般の仕事を定年まで続けて定年後の趣味に冒険者登録される方もいる。


冒険者は自由。登録後に即息を引き取っても冒険者協会は何も損をしない。


フィンは、ヤバい女性に従って既に死にかけの爺さんの冒険者登録を速攻で完了させた。


この時【冒険者協会過去最高齢登録】【歴代最高齢勇者】の2冠を達成した!!


この死にかけのジジイ勇者るるかが、この後も何度も死にかけながら、歴代最強の勇者になるのかは…。この時はまだ分からない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

女神様が種族間違えて『88歳』で覚醒する勇者スキル∞∞を付与されていた事が判明したけど今更遅すぎるだろ るるかチャンネル @rurukada

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ