田原総一朗、超能力を捨てる/俵原颯一郎、転生する
約束の場所に僕、俵原颯一郎が行っても、おっちゃんはいなかった。
「何だ、またかよ」
怒ってしまいそうになったが、3分後に、おっちゃんが遅れてきた。
「悪いね、俵原颯一郎君。今、田んぼの方の田原総一朗君がピンチらしい。一緒にきてくれないか?」
田んぼの方の総一朗に何が起こったのか知らないが、何で僕まで!!
「頼む!!まずはそっちを優先させれくれ。異世界に行ったらもっといろいろしてあげるから!!」
おっちゃんに土下座までされてしまった。こうなったら、仕方ない。
「分かったよ、行こう」
「ありがとう」
おっちゃんの案内に僕はついていった。
警察が退避した今がチャンスだ。今、あのおっさんが来てくれたら・・・・・約束の日は今日。そして、場所はここ。頼む・・・・・この老人の籠城はいつまで持つか?一刻も早く、超能力なるものを返上したい・・・・・!
***
秘密の部屋での口臭さんとの会話で最後に言われたこと。それは、次に来る日と場所、そして目的についてだった。
「田原君、次は明日に会いたい。君に何か都合はあるか?」
「ないです」
「場所はどこがいいかい?」
「ええっと・・・・・それじゃあ、家の中にしてもらおうか」
「了解した」
僕に、一つ気になることがあった。
「超能力を持った人って、強制的に異世界に行かなければならないのかい?」
「いいや」
「そうかい」
「聞きたいことはそれだけか?」
「そうだ」
「じゃあまたな」
口臭さんはまた、ひらりと去った。
***
その約束の日は今日!!彼が僕のピンチに気付いてやってきてくれたらいいのだが・・・・・それもかなわぬ夢なのだろうか?諦めかけたその時——
「あなたが、田原総一朗さんなんですか?!」
男が来た。男の“子”が来た!!何しに来た~!!どこから来たんだ!!!!
「大丈夫かい?」
口臭さんも来た~!!助かったよ。
「早速、異世界にワープしますか?」
「いや、僕はね、この『超能力』を返上したいんだ」
「何で?!おじさん、超能力捨てちゃうのか?!」
少年が言った。
「そう、この世の中に超能力なんていらない。超能力なんかあってもね、おかしなことばかりだ。そんなもんなくてもこの世界で十分暮らせる」
「は?って、この世界って、異世界にはいかないのか?」
口臭さんが大声で言った。
「異世界という声が聞こえたぞー!!!!」
下からは警察の声が。
「この世界でみんなと楽しく暮らせるからいいんだ。この寿命というシステムが僕は気に入ってる。限りのある時間で何をどう使うか、そして、限りのある時間だからこそ、喜びというものも悲しみというものもたくさん感じることができると思うんだ」
田原総一朗は力強く言った。
「そうか・・・・・分かった。では、超能力を捨てるやり方を教えよう」
「頼む、いや、お願いします」
「簡単な方法だ。私が呪文を唱えて、それから・・・・・もう言わなくてもいいね?」
「嘘だろうね?!」
「本当さ」
地獄だ。これだったら異世界にも行きたくなってしまうが、我慢だ。
口臭さんは呪文を唱える。そして・・・・・
ハァッ!!!!!!
「「うぅ・・・・・・・」」
僕と、少年は音を上げた。
田原総一朗さんは、警察に投降していったみたいだ。色々聞かされた後、数日後、釈放されたようだ。元気に総理大臣を討論で破ったらしい。総理の支持率は一体どうなることやら・・・・・で、僕は決めた。
やっぱり、異世界に行きたい!!!!
異世界で、もう一度新しく始めたい。そして、それから地球に帰りたい。行きたくなった理由は、異世界での戦争を止めるためだ。それは、僕が唯一できる能力を使えば何とかなることだ。
「よし、それじゃあ、俵原颯一郎君、行こうか」
「うん!!」
おっちゃんは呪文を唱えた。
「이세계 환생, 이세계 환생. 새로운 시작을 내디뎠자! ! 행복한 시간을 모두 공유합시다! ! 막상, 새로운 자신이 되기 위해서! ! ! !」
か、韓国語か?!
ハァー
よし、転生だ――って、くせぇ!!
完
田原総一朗、たまたま超能力をゲットする DITinoue(上楽竜文) @ditinoue555
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