第六感で解決する探偵達

黒銘菓(クロメイカ/kuromeika)

第1話

 犯人はさっきの人だ。

 いつも通り、この事件の犯人が何となく分かる。

 皆何で指紋と血液と凶器と目撃証言と動機と盛り沢山の一杯な情報で訳が分からなくならないんだろう?僕には全く分からない。

 「ねぇねぇ、お姉さん」

 近くに居るであろうお姉さん、知り合いの顔も知らないお姉さんに声をかける。

 「どしたのタンテー?」

 「僕、多分犯人が分かったんだ」

 お姉さんが少しだけ息をのんだ。

 「分かった。私は何を探せば良い?」

 すっかり慣れっこになったお姉さんは腰を少しだけ低くして僕の方へ耳を傾けた。



 「皆さん、落ち着いてください!

 先ず持ち物検査をお願いしたいので、ご協力を」

 盗まれたのは松野塚邸宅に展示されていたダイヤモンド。

 時価七億という途方もない額の宝石である。

 それが一時的な停電と警備装置の故障が何故か重なって、盗まれた。

 そして、警察に通報されて俺がここにいる。

 (またか)

 見慣れた二人組が事件に巻き込まれていた。

 事件当時のアリバイがあったからスルーしたが、今月はこれで3件目。犯人か?犯人なのか?実は3件ともお前達の差し金なのか?

 「山颪やまおろし警部、僕たちは違うよ?」

 娘の方は何処かへ。ガキの方は何時ものように隅でちょこんと座っていた。

 「容疑者からは外したよ、安心しな」「3件とも偶然だからね?」

 何で気付いた?声には出してないはずなのに……

 「なんとなく、分かる。

 で、お姉さんが戻ってきたから、もう解決した」

 キラキラした目を向けて笑う。

 そして、それはその通りだった。

 「証拠見付けた!タンテー、当たってた。

 山颪警部、皆を集めて。推理ショーやりたいから!」

 ドタドタ走って、お転婆に頭を抱える。

 「おー、推理ショー。決定的な証拠は見つかったのお姉さん?」

 「勿論!『証拠は何処にあるんだ!?』って台詞に『証拠はここに!』って返せる!」

 「おー、お姉さん、探偵してるねー。」

 「タンテー君もね。じゃっ、よろしく警部。」

 ガキの手を引いて、娘は部屋から出ていった。

 「……はー、仕方無い」

 頭を抱えるが、仕方無い。

 今月、あの二人が巻き込まれた事件は3つとも二人の力で解決されている。

 ヤマカン探偵'Sは間違いなく名探偵だ。

 「警部、僕達はヤマカンじゃなくて、第六感だからね?間違えないでね?」

 部屋の外からそんな声が飛んできた。



 「今回の事件、概略を説明するとこうなります」


 四方を崖に囲まれて、外界との窓口は吊り橋だけという松野塚邸にバスが到着。

 探偵達を含めた20人は亡き家主の意向で立食パーティーを楽しんでいた。

 そんな中で一時的な停電が起きて、執事の矢車さんが見回りをするなかでダイヤモンドの盗難に気が付いた。

 「で、盗まれたのは多分停電の時で、その時他の人と一緒にいなかったのは3人だけ。」


以下制作中、直ぐに改訂します。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

第六感で解決する探偵達 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ