かくれんぼ
@nenya
かくれんぼ
僕はいつものメンバーでかくれんぼをしていた。
「じゃあ今日はお前が鬼な!!」
「わかったよ、じゃあ数えるね。」
今日は珍しくジャンケンに負けてしまった。
(最近は勝ってたんだけどなぁ)
……
「もういいかーい?」
返事はなかった。みんなもう隠れたのかな?
僕はみんなを探し始めた。
メンバーは僕を含めて4人。場所は学校だった。
どうせすぐ見つかるだろう。そう思っていた。
探し始めて2時間たった。さすがに1人ぐらい見つかってもいいと思うんだが?
ずっと探し続けていたため僕は疲弊していた。
(水が飲みたい…)
僕の学校は少し不思議でまだ井戸が使われていた。
水を汲もうと井戸を覗くと、
「みぃつけた。」
真っ赤に染まった水面にバラバラになったメンバーの1人が浮かんでいた。
「うわぁぁぁ!!」
その後僕は無我夢中に走った。
気が付くと墓地にいた。
塾から帰る際に近道としてよく使っている道だ。
(さっきのは一体…)
「クスクス」
後ろから笑い声が聞こえる。
聞き覚えのある声…、恐る恐る振り向くと
「みぃつけた。」
「ひっ、なんで…。」
そこにはさっきとは違うメンバーがいた。それだけなら良かったのだ。しかしそいつは自分の頭を文字通り抱えていた。
「なぁ、やっ…」
アイツが何か言いかけている隙に僕はまた走り出した。
気が付くと今度は線路沿いの道に出ていた。
ここをあと少し行けば家に着く…そう安堵していた矢先。
「みぃつけた。」
線路側から声が聞こえた。
「なんで…なんで追いかけてくるんだよ!!」
(なんなんだよ、なんで僕がこんな目に…。)
その瞬間、僕を激しい頭痛が襲った。
違う、あいつらは意味もなくこんなことはしない。
「そうか、僕が迷っていたから…。」
振り向くとなんの傷もない3人がいた。
「ごめん、ありがとう。」
僕は3人の元へと駆け出した。
かくれんぼ @nenya
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