かげりなき明日を求めて

1年間務めた、ブラック企業を退職し、高校教師となった31歳元ニート須崎陽平《すさきようへい》。
彼は、都内の高層タワーを持つ、『廣芽市立大学』の付属高校の教師として、順風満帆な生活を送っていた。生徒からは、慕われ。
みんなの須崎先生として、学校中に人気があった。
そんな彼は、３－A 組(自分のクラス)の『檮原由夏《ゆすはらゆか》』に不信感を抱いていた。
いつも明るく前向きで、誰にでも愛想良く振舞っている。しかし、友達がどんどん入れ替わっている。
そんなか、彼女に不信感を抱くのは当然であった。
そのうち、彼女への不信感が核心に近づくころ、ある日巨大災害に巻き込まる。

『首都直下地震』

その結果、高層ビルの上階に位置する付属高校の半数の生徒が校舎に取り残される。

――そこで、助け合い、深ま…続きを読む