47 エイレーネ団極大術滅死壊大量浄化!とかいう、術の練習をするらしい。

「わあ。凄い超能力!、飛んできちゃった。」

 僕は、白い空間の辺りを見渡した。




 「超能力者には、容易いことさ。」

 ロールさんは、笑った。




 「今日は、白い空間にも、人がたくさん来てるわね。」

 リリは、いつもと違って人の活気のある白い空間を不思議に思っている様子だ。




 「そりゃあ、ねえ。大侵攻の対策には、世界中のエイレーネ団員が集まるからね。」

 ミミコさんは、返した。




 「へえ、エイレーネ団員って世界中で、どれくらいいるんですか?」

 僕は、ミミコさんの方をみて言った。




 「確か、800人程度だって、話だったわね。」

 ミミコさんは、答えた。




 白い空間を歩く。




 玩具屋のあたりでシルクさんと会った。




 「お、来たか、君たち。」

 シルクさんは、僕たちを、みつけると、声をかけた。




 「はい、おはようございます、シルクさん。」

 僕は、軽く挨拶する。




 「おはようございます。」

 リリ、ミミコさん、ロールさんも、軽く挨拶を済ませる。




 「お主らには、期待しとるぞ。今日の大侵攻対策、重要な訓練じゃ。」

 シルクさんは、声を低くして、言った。




 「詳しい話は、訓練の時じゃ。わしは、先に集会場に行っておるでの。」

 シルクさんは、先を歩いて行った。




 「おーい。ロネくん、リリちゃん!。」

 フェールさんが、声をかけてきた。




 「あ、久しぶりです。フェールさん!。」

 僕は、声を弾ませた。




 「フェールさん!。おはようございます。」

 リリも、フェールさんに会えて嬉しそうだ。




 「おはよう。」

 フェールさんは、笑った。




 「フェールさん、エリーゼ都での戦いでは、勝手な行動を取って、ごめんなさいでした。」

 ロールさんは、会ってそうそう、謝った。




 あのロールさんが、人に頭を下げるだなんて―




 心境の変化でもあったのだろうか。




 「いいよ、仕方ない。死んじゃった人たちも多いけれど、被害は抑えられた方だと思うよ。」

 フェールさんは、驚いた様子で、ロールさんをみて、微笑んだ。




 「ちゃんと、謝れて、えらいわね。ロール。」

 ミミコさんは、ロールを褒めた。




 「バカにしてんのてめえ。俺は、責任感じてたんだ。」

 ロールさんは、怒りを露わにした声で、ミミコさんを睨んだ。




 「もうっ。コワい顔しないでよ。」

 ミミコさんは、頬を膨らませた。




 スマホをみると、時刻は、午前8時51分であった。




 集会場に向かう。



 

 集会場には、800人ほどの人たちが集まっていた。




 駄弁っていたり、寝ていたり、本を読んでいたり、スマホをいじっていたり、いろんなエイレーネ団員の人たちがいる。




 「アア、―マイクOK?アルトだよお。」

 アルトさんの声が、集会場に、鳴り響いた。




 「うん、大丈夫そうだね。」

 アルトさんは、集会場の真ん中で、頷いた。




 集会場の真ん中には、シルクさんと、五傑のアーノルドさん、アヤネさん、クロードさん、フレデリックさんが、いた。




 「あかりのやつは、また、来なかったのか―、あやつ、一体、何処で何をしているのやら―、まあ、よいわい。」

 シルクさんは、辺りを見渡して、ガックリした様子で、言った。




 あかり、五傑最強と言われている、謎の存在だ、エイレーネ団の中でも、みたことのある人は、殆どいない。

 



 「あいつは、忙しいやつだから、なかなか来れないんだよ。」

 アルトさんは、あかりさんをフォローした。




 「まったく、大侵攻が、近づいているというのに―、今日、明日来てもおかしくはないじゃろ。」

 シルクさんは、憂いの表情と声色だ。




 「ま、あかりさんの事は一端、置いておいて。大侵攻の対策をしましょう。」

 アルトさんは、司会をはじめた。




 「うむ。滅死壊の大侵攻。1945年の大侵攻では、ミーロ星の人口が半減した。1965年の大侵攻では、45年の反省を生かし、死者を減らす事は出来たが、五傑のうち4人は、戦死した。悍ましい、事じゃ―。」

 シルクさんは、身体を震えさせた。



 

 「僕も、未だ、子供の頃、65年の大侵攻に、遭ったよ。師匠が死んで、世の終わりかと思った。」

 アーノルドさんは、当時を思い出し、声を震わせた。




 アヤネさん、フレデリックさん、クロードさんの表情からも、当時の深刻さが伺えた。




 「3091年前から、脈脈と受け継がれてきた、エイレーネ団極大術式。大侵攻対策は、紀元前からずっと、されてきた事だ。先人の築き上げてきた、術がある。」

 シルクさんは、話し始めた。




 「過去の傾向からみると、500万もの、滅死壊が、来るだろうと予測さるよ。」

 フレデリックさんは、モニターに、グラフを示した。




 「E~C級が、499万体。B級が、9000体。A級が900体。S級が88体。SS級が7体。五幹部クラスが5体と言った内訳ですね。」

 アヤネさんは、グラフをみて言った。




 「500万は数が多すぎる、勿論、エイレーネ団秘伝の術を使わないと、ミーロ星で、絶大な数の死者が出る事は間違いないね。」

 クロードさんは、口を開いた。




 「ああ、勿論だ。訓練のし甲斐もある。3091年前から、脈脈を受け継がれてきた、エイレーネ団極大術式のな。」

 シルクさんは、話し始めた。




 「紀元前1060年 かつてのエイレーネ団の団員たちが、命を懸けて作ったと伝えられている、術。滅死壊大量浄化術。完璧に熟さなければならない。」

 シルクさんは、続けた。




 「術の事を知らない人にも、ぜひ、説明を、よろしくお願いします。」

 アルトさんは、言った。




 「滅死壊大量浄化術 広範囲に渡って、Cランク以下の滅死壊を、すべて浄化してしまえる、一般人を守るための、エイレーネ団極大術じゃ。」

 シルクさんは、説明をはじめた。




 「へえ、そりゃあ凄い。極大術とは?」

 アルトさんは、質問した。




 「エイレーネ団に伝わる、秘伝の術の事じゃ。」

 シルクさんは、答えた。




 「広範囲とは、どれくらいの範囲でして?」

 アルトさんは、首を傾げた。




 「1つの術で、1地方と、言ったところかの。」

 シルクさんは、顎に右拳を当てた。





 ミーロ星には、7つの地方がある。




 林檎大陸、ハート大陸、ソフィア大陸、アネモネ大陸、フルーテ大陸、日夜大陸、の6大陸に、メロン諸島の7地方だ。




 ちなみに、ポムの町とアルブルは、林檎大陸にある。




 インターネットで調べればすぐに、わかる事で、学校でも勉強する事だ。




 「へえ、いい術ですねえ。ま、知ってますけれど―。」

 アルトさんは、笑った。




 「術の発動には、100人の能力者が、円状にならび、左手を上にして、クロスさせた、手のひらを、おでこにつけて、半回転させながら、手のひらが上になるように前方に広げ、能力を発動させながら、エイレーネ団極大術滅死壊大量浄化 と叫ぶ必要があります。」

 シルクさんは、淡々と術の発動方法を、述べた。




 「エイレーネ団極大術滅死壊大量浄化!。えいや!。」

 急にシルクさんは、額に手をクロスさせてつけて、半回転させながら、前方に、広げだした。




 「う、美しい動きです!流石は、シルクさん、流れるような手つきでございますね。」

 アヤネさんは、唸った。



 だっさああああああ!!!、僕は、思わず、心の中で叫んだ。




 「じゃあ、早速、やってみますか。」

 シルクさんは、立ち上がった。




 まさか、今日の訓練って、わけわからん、術の練習なのか―




 「住んでいる地方ごとに、分かれて、円になってください!。」

 アルトさんは、呼びかけた。




 しばらくして、エイレーネ団員たちは、各地方ごとに分かれた。




 「俺が、エイレーネ団、林檎大陸リーダーの、アーノルドだ、よろしく。」

 アーノルドさんは、挨拶した。




 7つの地方それぞれに、リーダーが一人決まっているらしかった。




 林檎大陸 アーノルド 五傑 2位




 ハート大陸 アヤネ 五傑 3位




 ソフィア大陸 クロード 五傑 4位




 アネモネ大陸 フレデリック 五傑 5位

 

 


 メロン諸島 カルネ SS級 6級




 フルーテ大陸 カヤコ SS級 7位




 日夜大陸 フレイル SS級 8位




 

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魔王に襲われ世界は破壊されました。18年前のミーロ星に転生すると魔法が使えるようになってました。滅死壊を倒すために、PSE能力者、剣士、勇者、魔術師、令嬢、師匠を仲間にし魔法でジュースにして飲みます。 無常アイ情 @sora671

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