【あとがき】

 「七色背黄青」を最後までお読み下さいまして有難うございました。


 恵子さんも仰っていましたが、鳥は人間のことを全て理解しているのではないかと、時々私も思います。

朝のスズメのチュンチュンは芸能ニュースのような噂話で盛り上がり、カラス同士の呼びかけは組織の朝礼報告のような、そしてイソヒヨドリの美声は朝っぱらからの愛情表現…。その中に所々、周辺の人間の話題が挟まっているのではないかと。意味が解れば「おいおい…」と言いたくなるかも知れませんね。


 ですから、彩が大切に飼っていた最初のナナが天上から舞い降りて、毬を「これから歩く道」にいざなってくれたとしても、何の不思議もありません。そしてナナは分身みたいな『七色のナナ』にバトンタッチし、やがてその役割は上原巡査と交代することになるのでしょう。結局、最初のナナの事を毬は知りません。ましてや、毬が祈りを捧げた森に最初のナナが眠っていることなど。けど、それでいいのです。ナナにはナナの世界があって、毬を守るために、彩の願いを叶えるために一所懸命だったのでしょう。それが一緒に虹の橋を渡る条件だったのかも知れません。何だか天使のような存在に思えてきます。


 尤も、そそっかしい最初のナナが、若かりし彩とそっくりの毬のところへ、間違えて戻って来ちゃっただけなのかも知れませんけどね。それで「あれ?なんか違うぞ。ナナイロ、あと頼むわ」と戻って行った…とか。


 どっちにしろ、羽のある子たちには敵いませんね。私も「翼をください」と叫びたい!


 この度は「七色背黄青」をお読み下さり、本当に有難うございました。



                     🐤 Suzugranpa

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七色背黄青 @suzugranpa

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