二刀流

剣道場のボンクラ息子、相沢匠海は、道場の行く末を案じていた。
のらりくらりと剣を学び、将来は道場を継げばよいと思っていたら、頼みの綱の父が腰をイワしてしまったのである。
匠海は思案する。
甘い見通しで剣しか学んでこなかった自分は、どうすればこの先生きのこれるのか。
そのとき、ふと思いつく。
剣道ではマイナーとされる二刀流を極めれば、あるいは――。