ライブデビューと間接キス

 あれから俺たちは都内ではそこそこの規模を誇るライブ会場に来ていた。

「 初めて来ました........!」

「お姉さんも...!」

 まさかライブだなんて思いもしなかったが、行動力が絶望的に欠如しているゴキブリ人間兼戸塚菌にとっては嬉しい限りである。

「なんか、凄いっすね」

「...うん!」

 喧騒にまみれたホール内。

 アーティストの登場をまだかまだかと待つ観客の熱気。

 社会不適合者な俺には今まで感じることの出来なかった一体感。

 全てがイレギュラーで、最高にロックンロールな感じがする。

「お姉さんリサーチによると、今日のせとりはバンド結成15周年記念でインディーズ時代の曲が多いらしいよ〜」

 インディーズ時代の曲は時代柄1990年代の純ロックに強い影響を受けていて、今の曲とは切り口も全くもって異なるので楽しみである。

「00年代のがむしゃらな感じが大好きなので最高ですね」

 これはもう激アツである。

 ......やばい、マジでここ数十年で1番楽しいかもしれない。

 まあ、ゴキブリ人間兼戸塚菌の人生がオブラート並みに薄いが故なのかもしれないがHAHAHAHAHAHA

 なんてセトリ話に花咲かせていると、千歌先輩が鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして、恐る恐ると言った感じでこちらを見つめてきた。

 ......どうしたのだろうか?

「ごめん、なんか苦いなと思ったら間違えて君のコーヒー飲んじゃってたかも...」

 どうやら先輩が注文したコーラと俺のコーヒーを間違えて飲んでしまったらしい。

「大変だあああああああ!大丈夫ですか!?戸塚菌で死んじゃうんじゃ...ちょっとAED持ってきますね!」

「ライブでもその感じなんだ!?......優くんの芯の強さにはお姉さんもはや感動を超えて感服だよ......!」

 芯の強さも何も、ゴキブリ人間の唾液によって女の子一人泣かせることくらい容易いのだから仕方がない。

 ソースは中学の同級生のA子ちゃんである。

 俺の唾液がベタベタについたリコーダーをクラスのDQNに付けられ、涙を滝の如く流した彼女の表情は今でも忘れられない、、HAHAHA

「......ほら、君って意外とパーソナルスペース狭い人じゃん?だから嫌じゃないかな〜って乙女心的には気になるわけですよ」

 千歌先輩は頬を茹蛸のように赤く染めて呟いた。

 心なしか視線も合わない気がする。

「けっ!それって暗にお前はパーソナルスペースの狭いド陰キャくん!wって言いたいのかよ」

「まさかの辛辣!?」

「すみません、からかい過ぎました。大丈夫ですよ、そもそもまだ飲んでなかったので」

「......優くんのばか」

 なんてもはやバンドと関係ないいつものじゃれあい?をしているうちに待ちに待ったライブが始まったのだった。


 ※リアルで取れる時間が以前より少なくなってしまった関係で今後は2〜3日に一度のペースで投稿していきたいと思います〜


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壊れた廃人な俺の「恋、ナニソレオイシイノ?」なラブコメ  はなびえ @hanabie

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