悪魔も呪いも何のその!アシュリー嬢の大冒険!

物語と文章の丁寧さが光る、抜群の一作。
令嬢もの、入れ替わりものというテンプレ形式でありながら、インパクト重視の行き当たりばったりの雑なストーリーにせず、作者なりに工夫し、物語を構成しているのがありありと感じられました。

次々と入れ替わりながら、新たなミッションに挑む展開は、ちょっとしたゲームのような没入感があります。

ほどよい文章量、場面転換のテンポも長所です。

アシュリーのキャラクターにも嫌味がなく、お人よしながら馬鹿でもなく、絶妙な距離感で読者の代理を果たしてくれます。

最後までリズムを狂わせることなく完走された点も高評価。
ラストは淡白ではありましたが、短い映画を見終えたような感慨を覚えました。