2024年

拝啓 汗ばみ凍える謎の春、そちらではいかがおすごしでしょうか。

お久しぶりです。わたしは一昨年の12月に罹ったコロナの後遺症で未だに痰が絡みやすいです。悲しい。


さて、生活に埋もれながら、色々な趣味をやりながら、わたしも本当に時を取りました。あなたからは離れていくばかりです。

なんか結婚もするんですよ。書類書くのが捗らないけれど。


物理的に離れて何年も経ち、時系列も離れ続け、思い出も薄くなってまいりました。

こんなわたしが今年のあの日も待ってみたところで何なのだろうと考えていました。


だけど、なんだかんだといいつつ、行かない自分のことをあまり考えていませんでした。


ところであなたは小市民シリーズは読んでいたのですっけ。今年の春にね、やっと冬を迎えていました。すてきな本でした。あなたが読んだら何を言ったのだろうと、少しだけ思いました。


最近はあなたに会えたところでどんな顔をすればいいのかわからないのが実際のところです。

お兄ちゃんにも謎に遠慮の気持ちがあるし。半端に常人の感覚を取り込んで自分を追い詰めている。

あなたのこの世を幽霊が漂っていたら、わたしのこと迷惑だろうか。そんなことも繰り返し思います。でもどうせ漂っているなら会いたいとも思います。


今年もまってます。

昨年書いた曲は結構きれいなので、ちゃんと演奏できたらいいと思ってます。


それでは、いつでもそちらの季節が心地よいことを祈っています。

敬具


令和六年 五月九日

片手羽いえな

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大好きだった作家を大嫌いになるまでの話。 片手羽いえな @jenadoe

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