第3話 [自己PR]

「ここで働かせてください。」


 おいらは今、カネダさんに土下座をしている。

一晩考えて、おいらは知らない事が沢山ある事に気がついた。起業しようにも、どうしたらいいのか。よくわからなかったのだ。


 おいらは無能だ!カネダさんと繋がりを持てた今。カネダさんに教わるのが1番いいとおいらは思ったのだ。


「わしが、小僧を採用するメリットが聞きたい。」


 メリット……?おいらの価値?おいらなんも持ってないよ。


「一生懸命頑張ります。」


「不採用じゃな。」


「そんな………。」


 おいらに出来ることなんて何にも無いよ。頭も運動もできない無能なんだよ。するとカネダさんがおいらに話しかけてくれた。


「今日の夜までに自己PRを考えて来い。その時もう一度聞こう。」


 そう言ってカネダさんは、出かけて行った。おいらを採用するメリット。そんなのおいらもわからないよ。


 紙を鉛筆を出して箇条書きにおいらの特徴を書き出した。


・文字が書ける。

・計算ができる。


 この世界にも学校があり、みんなこれくらいは出来て当然なのだ。うぅー。なんもないよぉ。


 おいらはまた思考の渦に飲み込まれてしまった。だめだ、だめだ。今までやってきた事を元に考えてみよう。


  おいらは本を読むのが好きだ。今まで100冊以上の物語を読んできた。参考書とかは嫌いで読まなかったけど、これって強みになるんじゃ無いか?


【100冊以上の本を読んだ】をテーマに自己PRを考える事にした。


・10歳の時から本を読み始めた。

・面白く無い話でも最後まで読み続けた。

・物語によって想像力が豊かになった。


 こんな物だろうか?こんな物が自己PRになるだろうか?


 そうだ!ストーリー性を持たして見れば、それっぽくなるんじゃ無いか?まずはタイトル。おいらを採用するメリットの提示から、入った方がいいよな。


[タイトル]おいらは、困難な状態でも耐える事ができ、改善のアイディアを出す事ができます。


 おぉ!いい感じだ。次はプロローグだよな。


(1) おいらは実家で5年間、読書に励みました。


(2)好みじゃ無い小説もあり、最後まで読むのが難しい本もありました。


(3)しかし、おいらはどうにか本を読み切ろう。そう決意して取り組みました。


 できた。できた!次は、どのようにして本を読み切ったか、具体例を出さなきゃな。おいらは箇条書きで具体的に何をしたか書き出した。


・集中力を切らさない為に飲み物を用意した。

・こまめに休憩を入れた。

・頭で本の世界の中に入る。


 これを箇条書きから文章に変換させて……。


(1)まず一つ目に、本に集中できるように飲み水を用意して、本の内容以外をあまり考えないようにしました。


(2)次に行ったのは、読書疲れにならないようにこまめにこまめに休憩を入れる事にしました。


(3)また頭の中で、本の世界に入る事によりその本の最大限の魅力を引き出すようにしました。


 最後は結果だな。これはテーマを少しアレンジするだけで良さそうだ!


 自己PRを考え終え、窓から外をみた。外は暗くなっており、日が落ちていた。


ガチャ。


 あっ、カネダさんが帰ってきた。


「おかえりなさい。」


おいらはカネダさんに軽く頭をさげた。


「坊主。ちゃんと考えたんだろうな?」


「もちろん!」


 おいらは自信満々に答える。カネダさんがニヤリと笑い問いかける。


「ワシが小僧を採用するメリットを聞きたい。」


「おいらは、困難な状態でも耐える事ができ、改善のアイディアを出す事ができます。


 おいらは実家で5年間、読書に励みました。


 好みじゃ無い小説もあり、最後まで読むのが難しい本もありました。


 しかし、おいらはどうにか本を読み切ろう。そう決意して取り組みました。


 そこでおいらが取り組んだことは、まず一つ目に、本に集中できるように飲み水を用意して、本の内容以外をあまり考えないようにしました。


 次に行ったのは、読書疲れにならないようにこまめに休憩を入れる事にしました。


 また頭の中で、本の世界に入る事によりその本の最大限の魅力を引き出すようにしました。


 そのような取り組みを続けた結果、100冊の本を読み切る事ができました。


 このようにおいらは、困難な状態でも耐える事ができ、改善のアイディアを出す事ができる。それがおいらを採用するメリットです。」



 カネダが大きな声で笑い出す。手を叩きおいらに向かって拍手する。


「よくぞ、一人でここまでたどり着けた。

わかりやすく伝える事で、普通の事が強みになるのだ。言葉と言う物は、時に武器になる。これからもわれの元で励むといい。」


  おいらは、とびっきりの笑顔を向ける。


「明日は早いぞ。早く寝ろ。」


 そう言ってカネダは自室に戻るであった。

やったぁ。おいら受かったんだぁ!!おいらはニヤニヤしながら布団に入る。夢に向かって一歩を踏み出せた。おいらは無能じゃ無いかもしれない。明日はどんな日になるだろうか。



〜〜〜〜〜〜〜

このお話を読んでる物好きの読者へ。


カクヨムで、場違いな内容を書いてる俺だけど。


誰かの為になったら嬉しいな。


この本の内容は、あんまり面白い話じゃ無いと思うんだ。


主人公バトルとかしないし、、、


それでも続きが見たいなら、書くのでよろしくお願いします。

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