第3話 戦乱の世

「ところで信長さん」


「なんじゃ?」


「今って西暦何年ですか?」


「ん?今は天正9年だったかな」


つい、この間授業で習ったぞ。織田信長が殺された本能寺の変が天正10年で1582年らしい。つまり今は....1581年だ!


「1581年ですか!?」


「そうじゃが。何か問題でもあるのか?」


言っていいのか?これは。というか言ったとして信じてもらえるのだろうか。もし仮に信じてもらったとして、もし本能寺の変の日以降信長が生きていたらどうなる?

絶対に未来が変わるはずだ。そうなればパラレルワールドだ。信長が生きた世界線と、死んだ世界線の2つが存在することになる。どうする!俺はこれからどう生きる!わからん!わからん!わからん!わからん!


「うわーーーーーーーーーーー!」


〜〜〜〜〜


「将希!将希!いい加減起きなさい!」


「え?なんでお母さんがここに?」


「何寝ぼけてんの?休みだからって夜ふかしのし過ぎなのよ!」


分かったぞ。元の世界に戻ってきたんだな。


せっかくだし、織田信長についての本でも読むか。


「ねえお母さん。家に日本史の本とかあったっけ?」


「伝記小説なら姉ちゃんの部屋にあるんじゃない?」


それを聞いた俺は隣の姉の部屋に行く。あったぞ、”武士道シリーズ〜織田信長の生涯〜”これだな。目次を開くと”本能寺の変”と書かれた最後のページまでが225ページに渡って書かれていた。1ページ、”信長の誕生”を開くと、それを読みながら1階に降りる。


あっ!


ドンッバコッバタバタバタバタバタバタバタバタ


〜〜〜〜〜


階段から落ちた。「痛ってーな..」って、ん?目の前にいるのはちょんまげのおっさんたちだ。どうやらまたタイムスリップしたようだ。


「どこいっておったんだ将希?」


「いえ、こ、これは、その、僕にもわからないっていうか。」


「はははは!面白いやつじゃの、分かっておるぞ!芋を食うたあとに話しておったら急に大きな声を出して消えるんじゃからな!皆もまっこと、たまげておった。かと思うと今度は急にしかめっ面で現れるのだからな。」


部下たちも笑いに包まれる。この人結構おしゃべりなんだな。意外だ。すると再び信長が口を開く。


「よし、このくらいにするぞ。今から話すは明日からのこと。」


周りの部下たちが一斉に、姿勢や身なりを整える。


「まずは光秀!お前はわしと5000の兵を率いて三好康長の元へ向かう。道中、三河にて休憩を挟む。家康が茶をもてなしてくれるそうじゃ。

そして秀吉!お前たちはこのまま現任務に取り組め。

あとは勝家!お前は信盛とともに、信広、信次を連れて本願寺の様子を見てこい。

その他のものは、城下町で起きている抗争を始末させよ。

皆がこの城に一堂に会するのは久々じゃ。しかし、いつまでも楽しんでいてはならぬ。じきに果たすであろう目前に迫った天下統一のためにも精進するように。

良い報告を期待しておるぞ!以上!」


「御意」


部下たちが頭を下げる。


「将希は明日、光秀と共にくるように。いいな?」


「ぎょ、御意!」











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よく漫画とかアニメであるタイムスリップが実際に自分に起きちゃった! 野獣太郎 @ar21

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