舞台は、まるで中世ヨーロッパの様な街並みの、グルンステイン王国です。
その王国の、とある貿易商会の娘のエリザベスは、優しい両親と使用人に愛され見守られながら、明るく活発に過ごしていました。
……が、そんな日々は、ある貴族によって、一夜にして崩壊してしまいました。
さらに、その貴族は、王国を支えているトップクラスの貴族で、罪を告発するのも難しい状態でした。
そんな絶望的な状況でも、エリザベスは、手を差し伸べてくれる人達と一緒に、立ち向かいます。
何度も何度も打ち砕かれても、それでも諦めずに前を向く姿は、胸を打たれます。
そして、ローフォークという、クールな青年が登場するのですが、彼の胸中に抱く葛藤と懺悔、そして、エリザベスとのやり取りの中で見られる、意外な一面は、必見です!
それと、1話終わる度に、登場人物の裏話などがあるのですが、色んな人物の事を、より深く知れて、クスッと笑える様な情報もあります!
読み応え抜群で、実際にあった話なのかと思うぐらいに、リアルに丁寧に描かれています!
是非、読んでみて下さい!
三人称で色んなキャラ視点が展開される硬派な雰囲気です。
世界観がとてもかっちりしてて、説明がすごいの! その世界を観光してるみたいな気分っていいますか…?
世界が構築されてる感じといいますか。
建築家がすごく丁寧に技術を尽くして構築した世界を見ているような、そんな感動がありますよ。
こういう分厚い本を読むの、好きだったな、という気分にさせてくれますー!
最初、実は気楽な感じで読んでたのですが、途中から「あっ、これ真剣に読まなきゃ」ってなりまして。
最初の方からじっくり読見直そうかなって思わせるようなかっちり度合いなんですね。
尊敬。
でもって、実はまだ序盤しか読んでなくて(ごめんなさい!)話数が多いので、長く楽しめるぞーって、ちょっとずつ生活のお供みたいに楽しんで読みたいなと思っています。
グルンステイン王国で貿易商を営むコール家の娘、エリザベス。
優しい両親と共に暮らしている天真爛漫な彼女は、ある日強盗に襲われ家族を失ってしまいます。
グルンステイン王国に関わる事件や陰謀、それらに知らぬ間に翻弄されながらも、エリザベスは立ち上がって前を向いていきます。
本当にその国が存在するかのような作り込まれた設定、しっかりとした文章もその雰囲気に合っていて、凄く読み応えがあります。
思わず目を逸らしてしまいたくなるような凄惨な場面もあるのですが、それだけリアリティを感じられるよう書かれているお話なのだと思いました。
エリザベスを中心としたお話ではありますが、王国内で起こる様々な事件や思惑や陰謀、彼女を取り巻く人々の思いなども細かく書かれていて、そちらも物語に深みを与えてくれています。
エリザベスは酷く辛い状況に陥っても懸命に立ち上がって前を向ける女の子で、思わず応援したくなります!
文章から伝わってくる圧倒的な表現力は、まるで史実かと錯覚してしまうかのようです。
他国との複雑な情勢が丁寧に織り交ぜられており、物語に深みを与えています。
昨今の小説は比較的コミカライズ向きなお話が多いですが、このお話の文章力は小説でしか表現しえないのでは、と思います。
レイティングを見ての通り、お話には陰惨な内容が含まれています。
特に主人公の少女エリザベスとその周囲は、度々心無い悪意に巻き込まれてしまいます。
そんな中、周りの後押しを受けて毅然と立ち向かうエリザベスの鋼とも言うべき精神は、胸がすく小気味よさがありますが。
レイティングの意味を想像し、色々覚悟してから読み進める事をお勧めします。
…あんまり深く考えないで読み始め、ちょっとだけ打ちのめされた者がここにおりますので。
主人公はエリザベスですが、お話としては貴族や軍関係者の人間模様が多く描かれています。
登場人物が多いお話ですが、エピソードの合間に登場人物の項目がありますので、是非目を通しておきましょう。