第8話

「いや、起きてたから大丈夫。とりあえず中入って?」


メリアはコクリと頷くと黙ってルーの部屋に入り絨毯に腰を下ろした。


その間にルーは部屋の電気をつけて自分も絨毯に座る。


「どうしたの?こんな夜中に。」


「..しくて...」


メリアは枕越しに何かをつぶやいた。


「え?なんて?」


「一人はなんか寂しくて...」


メリアは枕から顔をスポっと離すと涙目になりながらそう答えた。


「寂しい、か...」


ルーはまた自分の部屋を見渡す。先ほど見たときと何も変わらぬ質素な部屋。だがそこにさっきまで感じていた空虚さはなかった。


「迷惑だったよね、ごめんなさい。」


メリアはルーの方をみてしょぼくれている。ルーの反応をみて迷惑がっているとでも勘違いしたのだろうか。


「いや、俺も多分寂しかったんだと思う。メリアがいる時といない時でこの部屋が違って見えるんだ。」


「違って見える??」


メリアはルーが何を言っているのか分からず素直に聞き返す。


「メリアがいない時にこの部屋を見て、あー何もないなー。って思ったんだ。けどメリアがいる時は別に何もなくてもいいな。って素直にそう思った。」


「う、ん?」


まだメリアにはあまり伝わっていないらしい。


「要するにね、俺にもメリアが必要だったってこと。」


ルーはメリアの頭を撫でる。


「そっか..も、もー、ルーはほんと僕がいないとほんとだめだなー。」


メリアは少し顔を赤らめ笑った。ルーも返すようににっこりと笑って見せる。


「「一緒に寝よっか。」」


そして結局いつも通り二人は同じベッドで横になり夜を明かしたのだった。

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最強魔女が寂しそうなので魔女狩りやめて居候してみた。 坂ノ清 @kaizyo

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