第7話

ルーは自分の部屋を見る。まるで先ほどまでいた家とは違う家かのように彼の部屋は簡素とかシンプルという言葉が似合うもの寂しげな部屋だった。


「...。」


ルーはしばらくの間自分の部屋を見渡した。


「ほんと、静かだな...」


そしてそれだけ言うと電気を消してベッドに入る。


今日は朝から動きっぱなしの一日だったため目を閉じるとすぐに深い眠りに落ちていった。


((あなたの見たものを信じなさい。誰から教わったでもない自分だけの答えを見つけるの。))


ルーは懐かしい言葉に目を覚ます。


「...。夢か。懐かしい言葉だったな。そういえば、あのおばあちゃんまだ元気かな。」


ルーが懐かしんでいると不意に扉をノックする音が聞こえた。


「はーい?」


ルーは不思議がりながら扉を開ける。


「ごめんね?起こしちゃったよね。」


そこには枕を胸の前でぎゅっと抱え、枕に顔をうずめたメリアの姿があった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る