第6話

「ふう、結構良くなってきたんじゃないかな??」


メリアは一息ついてから腰に手を当て今朝魔法で改築した自分の部屋を見渡す。


ピンクを基調として様々な家具を置いた部屋は女の子感あふれるかわいらしい部屋となっていた。


「メリアー、そっちは終わったー?おお、かわいい感じの部屋だね。」


こんこん、と扉をノックして部屋へと入ってきたルーがメリアの部屋をぐるりと見渡す。


「ありがとう。こっちは大体終わったよ。そっちは大丈夫そう?」


「ああ、こっちはメリアが魔法で用意してくれた家具だけで十分だよ。」


「そっか、じゃあ一回休憩しようよ。コーヒー淹れてくるね。」


メリアとルーはそのままとことこと台所に向かっていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はあ、いいお湯だったぁ。」


「やっぱりお風呂は露天風呂が一番だねー。」


ルーは火照った体に手で風を送っている。


メリアはソファに座って魔法で手から程よく暖かい風を作り出して髪を乾かしていた。


「まさかメリアがあんなサプライズを隠してたなんてね。」


「へへ、悩んだ甲斐があったよ。」


二人が今晩堪能した露天風呂、それはメリアが家の改築のついでに作ったものだった。


「メリアー、俺にもその魔法やってー。」


ルーはメリアの前に腰を落とす。


「ふふ。もー、しょうがないなぁ。」


メリアはそんなルーの黒髪を優しくなでながら暖かい風を送った。


「ありがと。」


そのまましばらくの間、二人はほのぼのと穏やかに夜を過ごした。


「ふぁ、ふぅ。」


メリアが口に手を当ててかわいらしく欠伸をする。


「ふぁあ。」


「ふふ、ごめんね?僕の欠伸がうつっちゃったね。そろそろ寝に行こうか?」


「そうだね。ふぁあ。」


そう言って二人は今朝作った自分の部屋の前まで歩く。


「それじゃあ、おやすみ。」


「うん、おやすみー。」


そして二人は各々の部屋へと入っていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る