積み重ねることの大切さを教えてくれる作品

破滅が確定している悪役に憑依してしまった主人公が、自分ではどうすることも出来ないハンデを抱えながらも、ただひたすらに足掻き続ける物語。

重厚な世界観に緻密に練られた設定、生命を感じさせる登場人物たちによって彩られるストーリーはとても魅力的で、予想もつかぬ展開に読んでいて思わず何度も物語に引き込まれてしまいました。
それから理不尽設定の割には主人公の努力に裏打ちされた圧倒的な強さと、悪役口調から繰り出される圧倒的なレスバの強さからかストレスをあまり感じず、むしろ爽快感すら感じてしまう展開で読みやすかったのも良かったです。

この手の悪役転生&憑依ものに良くある行動一つで破滅は簡単に回避可能なのでは?と思えるような物は存在せず、主人公は常に悪役を押し付けられます。他者に対して悪役としての言動を強制されるハンデのせいでまともなコミュニケーションも取れず、理不尽な悪意に晒され続ける毎日。
そんな世界で結末を変える為に形振り構わず必死で奔走する主人公が、少しずつ、けれど確かな形で『何か』を一つ一つ積み上げていく。

現段階ではまだ結末には到っていませんが、主人公の歩む道にどのような展開が待っているのかは是非読んで確かめて欲しいです。

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