破滅が確定している悪役に憑依してしまった主人公が、自分ではどうすることも出来ないハンデを抱えながらも、ただひたすらに足掻き続ける物語。
重厚な世界観に緻密に練られた設定、生命を感じさせる登場人物たちによって彩られるストーリーはとても魅力的で、予想もつかぬ展開に読んでいて思わず何度も物語に引き込まれてしまいました。
それから理不尽設定の割には主人公の努力に裏打ちされた圧倒的な強さと、悪役口調から繰り出される圧倒的なレスバの強さからかストレスをあまり感じず、むしろ爽快感すら感じてしまう展開で読みやすかったのも良かったです。
この手の悪役転生&憑依ものに良くある行動一つで破滅は簡単に回避可能なのでは?と思えるような物は存在せず、主人公は常に悪役を押し付けられます。他者に対して悪役としての言動を強制されるハンデのせいでまともなコミュニケーションも取れず、理不尽な悪意に晒され続ける毎日。
そんな世界で結末を変える為に形振り構わず必死で奔走する主人公が、少しずつ、けれど確かな形で『何か』を一つ一つ積み上げていく。
現段階ではまだ結末には到っていませんが、主人公の歩む道にどのような展開が待っているのかは是非読んで確かめて欲しいです。
読み進めるほど登場するキャラクターの魅力が感じられるようになる。
圧倒的な才能を持ちながらも、シナリオにあがらうため、そして生きるために努力する主人公。彼がまっすぐなようで人間らしく、自分でも理解できない気持ちや行動に戸惑い、苦しみながらもつき進んでいく感じがとっても好きです。
この作品の鍵となるストーリーの断片がだんだん明かされてきているのですが、この作品特有の世界観も感じられるようになってきているのもすごくいい…!
また、裏設定のようなものをコメントや人物紹介で時折見かけるので探すのも楽しいです。
個性的なキャラは登場しますが、あくまでも主人公はギャク調ではないので、そういった構成を求めているわたしにとってはドンピシャな作品で、表現力の高い文章に引き込まれて読み進める手が止まらず、何周もしてしまうくらいに魅力的です!
マジでめっちゃ面白い。一気に読んだし絶対書籍化する
簡単にいうと尊大で傲慢なキャラを崩せない制約の、偽悪的な主人公ムーブ。
わざと悪い事してるのに結果が良くなって全員から流石です!扱いされるような話ではなくて、口が超悪いだけで主人公ムーブするので味方1敵10になるような感じ。
読んでて気持ち良いし、主要キャラの半分くらいは主人公を概ね正当に(または過剰に)善人として評価してくれるので読んでてストレスもない。悪態ゆえのギャップギャグも適度にある。そして主人公が強くて爽快感もある。テンポも良い。完璧です。
追記ですが、なろう定番の嫌われキャラの対応がマジで秀逸です。
主人公は天上天下唯我独尊キャラなのでその場でやり込めます。
その場で舌戦でボコボコにし、後でまたボコボコにするので二倍お得というかストレスフリーです