貴方が悪役令息転生物語に求めるものは何だろうか?
主人公が強ければ良いのか?主人公を嵌めようとする敵にお仕置きが出来れば良いのか?
原作知識で無双を出来れば良いのだろうか?
私は悪役令息転生物語に求められるのは逆境と葛藤、そしてそれを上回る矜持だと考えている。矜持が主人公を味方を読者を奮い立たせ、敵を怯ませる。
この小説には強い矜持とそれに伴う葛藤がある魅力的な主人公が描かれている。
それに加え、物語の展開も非常に魅力的だ。多くの伏線が物語に散らばっており、徐々に核心に迫っていくのは読者の心を鷲づかみすること間違いなし。悪役令息転生だからこそ出来る行動、悪役令息転生だからこそ背負わなければならない宿命、読者は常に先の展開を求めてページを進めなければならない。
本当に面白い小説だった。悪役令息転生に興味がある全ての人に読んで欲しい。これが悪役令息転生物語の一つの解なのだから。
以上です。ぜひ、楽しんでください。
破滅が確定している悪役に憑依してしまった主人公が、自分ではどうすることも出来ないハンデを抱えながらも、ただひたすらに足掻き続ける物語。
重厚な世界観に緻密に練られた設定、生命を感じさせる登場人物たちによって彩られるストーリーはとても魅力的で、予想もつかぬ展開に読んでいて思わず何度も物語に引き込まれてしまいました。
それから理不尽設定の割には主人公の努力に裏打ちされた圧倒的な強さと、悪役口調から繰り出される圧倒的なレスバの強さからかストレスをあまり感じず、むしろ爽快感すら感じてしまう展開で読みやすかったのも良かったです。
この手の悪役転生&憑依ものに良くある行動一つで破滅は簡単に回避可能なのでは?と思えるような物は存在せず、主人公は常に悪役を押し付けられます。他者に対して悪役としての言動を強制されるハンデのせいでまともなコミュニケーションも取れず、理不尽な悪意に晒され続ける毎日。
そんな世界で結末を変える為に形振り構わず必死で奔走する主人公が、少しずつ、けれど確かな形で『何か』を一つ一つ積み上げていく。
主人公の歩む道にどのような展開が待っているのか、是非読んで確かめて欲しいです。