第38話⁂最終話⁂
拓也と美月はあの異世界の正体?夢の正体?が解明出来て一安心。
あの事故からもう6年、いつしか拓也と美月は交際に発展、1年後に結婚する事が決まっている。
2人は今幸せ真っ只中。
一方の美月の両親は、一時は母の美穂が独身時代から付き合っていた男性と、家を出て別居をしていたが、今はあの頃の事がまるで噓だったかの様にように、父学と母美穂は平穏に暮らしている。
★ああああ!そう言えば、学は美穂の父アリと学の母洋子の子供なのか?
『いえいえ違います。異母兄妹ではありません』
紆余曲折が有ったが、何とか無事に治まり平穏を取り戻した家族。
◇◇◇◇◇◇◇
そんなある日、夫の学と美穂それに会員制のジムで知り合った大親友の武丸の母貞子は、新潟県長岡市寺泊地区にある鮮魚店がズラリと立ち並ぶ「並寺泊市場通り」通称”魚のアメ横”通りに昼食がてら出掛けた。
「並寺泊市場通り」通称”魚のアメ横”通りは、地元寺泊港や出雲崎港で揚がった、日本海の新鮮な海の幸と旬の味が所狭しと並び、連日多くの地元の人々や観光客で賑わっている。
ここでカニ、イカ、タコ、のどぐろ、貝類などの鮮魚を食べに出掛けた。
こうして、大満足で家路を急ぐ3人。
すると……その時、山道の岩肌に衝突。
””キキ――――ッ!キ――――ッ!””
ボッカ――ン〷///グッシャ———ンΨ〷//ドッス——ン/〷/Ψ〷
学の高級車フェアレディℤは大破。
3人はどうなったのか?
☁ ⛈ ☂ ⚡ ⛆ ☁ ⛈ ☂ ⚡ ⛆ ☁ ⛈ ☂ ⚡ ⛆ ☁ ⛈ ☂
あぁ~~あぁ~~あぁ~~一体どこに?・・・一体どこに???
あら~?誰かが?あれ~?木のてっぺんには………美男子が座っている………あら~?誰かが?呼んでいる…………な~んて美しい男なの~?
余りにも魅力的な男なので抑えきれずに、木を登っていくと青々とした葉が生い茂っている。
あれ~?あの美しい男はどこ?もう一度あの男に会いたい!
すると………青々とした葉が次から次へと鋭い刃に変わってしまった。
な~に?これは一体どうなっているの~?
するとその時、体がその鋭い刃に粉々に切り刻まれた。
「ギャッギャ――――――――ッ!タッタスケテ————————!」
ようやく頂上へ着いたかと思うと、美男子はかき消えて今度は樹の下から誘惑してくる。
『あら~?下から呼んでいるわ』
下に降りると………。
「あれ~?誰も居ない………」
「今度は木の上から呼んでいる?」
そしてまたそれを追いかけて行くと、刃で体が切り刻まれ……。
体は粉々に切り刻まれて行く。
「アアアアアアアアアア!クク苦しい――――ッ!ガガガガ――――――――ッ!タッタスケテ!助けて――――――――ッ!」
延々と繰り返して粉々に切り刻まれる地獄。
すると……今度は、女が山間に追いやられて————
山間に追いやられた瞬間に、両方の山が凄まじい力でぶつかり合い、女は山間で押しつぶされ、血しぶきが噴き出し、内臓はベチャンと潰れ、骨だけが残されている。
だが、また修復されて…………。
「グググ――――――――ッ!クッ苦しい!ギャ————————————ッ!」
すると鬼に、ある場所に引きずられて、体を餅のように鉄の臼や杵で粉々に磨り潰されて、猛スピードで集まってきた熱鉄のライオンや狼にむしゃむしゃ引き千切られて食べられている。
「ギャッギャ――――――――ッ!タッタッタスケテ――――――――ッ!」
さて今度はもっと酷い、口の中に灼熱の銅を無理やり流し込まれ、内臓は焼き尽くされ、苦しくても口がドロドロに溶けているにも拘らず、声を上げる事も出来ないのに瀕死の女が苦しくて苦しくて命乞いをしている。
一体誰なのか?
「クックルシ————————!死んだ方がマシ!コロシテ————————ッ!タッタッタスケテ――――――――ッ!」逃げ惑っている
衆合地獄(しゅうごうじごく)に落ちる罪は主に殺生・窃盗・邪淫の3つ。
逆さ吊りにされて猛火で炙られる刑罰を受けるている。
息をすると肺の中も焼き尽くされ、身体中の器官が焼かれて灰になり、身体中が解け体内が全て焼けただれて死んだと思ったら修復して。
「ギャッ――――――ッ!イッ イタ————————イッ!息が息が出来ない!ギャ――――――――ッ!」
一体誰が地獄に突き落とされたのか?
◇◇◇◇◇◇◇
拓也の祖母麗子に夢中になり、自ら命を絶った茂には、20歳以上も年の離れた妹貞子が居た。
実は貞子は、美穂の大親友でありIT企業の社長夫人だったのだ。
そして…なんと、あの武丸は茂の妹貞子の息子なので、茂は武丸の叔父さんという事になる。
あんな気持ちの悪いオタク気質の茂ではあったが、兄妹仲は一卵性双生児?一卵性親子?と言われるくらい仲が良かった。
茂にしてみれば、もう兄弟など夢のまた夢と思って諦めていた矢先に、親子ほど年の離れた妹が誕生して、親でもあり兄でもある、そんな深い繋がりで結ばれた兄妹なのだ。
それは貞子にしても同じ事。
そんな大切な兄を、自死という形で死なせてしまった恨みは相当なもの。
貞子は今尚兄の死を受け入れることが出来ずに、人知れず涙に暮れている。
兄の遺品整理をしていた時に、遺品の中に兄を死に追いやった麗子と、麗子にそっくりの美穂とアリが仲むづましく写っている写真を発見していた。
{これが兄茂を死に追いやった麗子と麗子の遠縁なんだ?チッ!あの女麗子にそっくりの女の子!}
◇◇◇◇◇◇◇
ある日貞子は、会員制のジムで偶然にも麗子にそっくりな美穂を見掛けた。
ましてや子供の小学校も一緒だった事から、親しく付き合うようになって行った。
何故2人が会員制のジムに足蹴く通うのか?
そこには、昨今テレビにもチョクチョク取り上げられている、腕の確かなイケメントレナ-が居るから、わざわざ大金をはたいて出掛けている2人なのだ。
そんな時に、貞子は異様な光景を見てしまった。
ある夜の会員制のジムが閉まるギリギリに、うっかりロッカーに大切な手帳を忘れたので、取りに行ったのだ。
スッカリ遅い時間帯の為、誰も居ないと思っていたのだが、一際目を引く美しい女性がひょっこり出て来た。
何とそれは、美穂とイケメントレナ-が如何にも親しそうに出て来たのだった。
{エエエエ——————ッ!私といつもあの先生の話で持ちっきりなのに、裏では自分だけチャッカリ先生に近付いていたなんて?}
貞子はこっそりと跡を付けた。
すると……美穂を愛車に乗せて2人は夜の摩天楼に消え去った。
{何よ?これって抜け駆けってやつじゃない。許せない!}
会員制のジムも一緒で、かなり前から顔見知りで自宅を行き来する間柄だった美穂と貞子。
ましてや子供の小学校も一緒になった貞子と美穂は、大親友になり美月と武丸4人で、よく小旅行や食事にも出掛けていたが、翼と武丸が、亮達にいじめを受けた時に、いつも親しくしている美月が、近所の翼だけを助けて逃げ帰った事で武丸は昏睡状態に陥った。
この事件で貞子は完全にブチ切れた。
{更には、今でも兄を思い人知れず涙する。そんな大切な兄を死に追いやった麗子に生き写しなのが気に食わない!ましてや遠縁に当るらしい。それでも…子供達が仲良しなので我慢しよう}
そう思い自分の感情を押し殺していた貞子。
{それなのに~我慢の限界がある。私が密かに憧れていたトレーナ―の先生の気持ちを重々知って居ながら独占するし、ましてや一番許せないのは、虐めっ子亮君達に虐められた時に、あれだけ親しくしていたにも拘らず、大切な我が子だけを置き去りにして昏睡状態にさせて、挙句には頭部外傷後精神病性障害(PDFTBI)と診断され、キチガイの様に暴れ出す異常な状態にしてくれた。ああああ!許せない!許せない!許せない!今に見て居ろ—————ッ!}
頭に来た貞子は、トレーナ―の先生と不倫をしているかも知れない美穂の正体を、早速興信所で調べた。
そして…学にぶちまけて家庭を壊してやろうと思ったのだ。
すると……なんと、学との結婚前から、美穂には学の他に付き合っていた男がいたらしい事が判明。
こうして頭に来た貞子は学に全てをぶちまけてやった。
まあ~トレーナ―の先生とは今のところは何も無いらしいが、美穂も当然先生に好意は寄せているが、まだ男女関係は無く只のお友達関係らしい?
やがて、学と美穂は喧嘩が絶えなくなり、嫌気がさした美穂は、仕方なくお金は無いが、愛する甲斐症無しの男の所に戻ってしまった。
だが、美月が毎日のように泣き暮らすので、子供可愛さに度々迎えに行っていたのだ。
やがてお金が底を付き美穂は仕方なく戻って来た。
そんな時に、貞子が偶然にも美穂の家に伺った時に、美穂に未練タラタラな男が豪邸の周りでうろついている所を発見。
余りにも追い詰められた様子だったので、これは美穂を追い詰めるのに使えるかもしれないと思い、声を掛けて喫茶店で話し合った。
こうして未だに美穂に未練タラタラな男と、復讐の権化と化した貞子が、相談して立花家に何日の何時に行くのかを知らせておいたのだ。
美穂は貞子が自分をそれほど恨んでいる事など、何も知らないので今でも大親友と思っている。
そこを利用して親友として赴いた時に、鍵を開けておいた事で男が容易く侵入出来て、美穂を刺して大惨事になったのだ。
◇◇◇◇◇◇◇
さ~て!それはさて置き、冒頭で学と美穂と貞子が悲惨な事故に巻き込まれたのだが、運悪く1人だけが生死の境を彷徨っている。
それは————ズ バ リ!美穂なのだ。
「フン!あんな女なんか大っ嫌い!上手く行ったわね!フッフッフ~!」
「『愛しているのはあなただけ』と言っておきながら、影では別の男と上手くやっていたなんて、全くとんでもない女だ!ウッフッフッフ~!もう美月も結婚するし、お前のような女なんか殺しても殺したり足りない。俺のプライドはガタガタだ!」
学と貞子は自分達も激突すれば『大怪我をする可能性がある』と思いながらも、それでも恨みの余り、ワザと岩肌に激突したのだ。
学は美穂を心から愛していた分、憎しみも倍増した。
『可愛さ余って憎さ百倍』とはよく言ったものだ
『ピッピッピッピッピ————————————————————』
「ご臨終です」
おわり
異世界からやって来た勇者⁈幽霊⁈👿 あのね! @tsukc55384
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