3月02日 裏切り(回想編)
2月06日
「かんぱーい!!」
「おっしゃーのむぞー」
愛知県名古屋市内の小さな居酒屋で澤部の父と亡くなった6人は最後の会話をした。
「いやーほんとよく頑張ってきたよ。ワクチンの製造で世界の人を救えたんだ。これ以上に幸せなことはないよ!」
「あぁ。入社した時にはすごく一時型が流行ってたもんな。」
「おまえら、一時型のワクチンは何にも研究してないだろ?」
「勇気先輩には負けますよ。けど、二次型と三次型の件用ワクチンを我々の手で作れたんだ。すごいことじゃないか?」
みんなのテンションが上がるなか澤部の父はいう。
「先輩、後輩どうであれ、研究に貢献したらどうとかじゃなくて、まずは、完成おめでとう!」
「ちょ、父さん。空気悪いよ」
空気の読めない父に明彦がツッコミをいれ、大爆笑した。
「んで、今日はみんなに言いたいことがある。明日、最後の試験テストだ。我々の手で世界を変えよう!」
当時研究長だった安藤勇気が叫ぶ。
「おぉぉ!」
それにつられ全員が叫ぶ。どこからどう見ても事業に成功した団体としか言いようがない。
「なるほど。それが最後の会話ですか。」
前田が囁く。
「今日はありがとうございました。」
彼らの関係のヒントを最後に澤部の父と澤部の叔父に挨拶をした。
「警部。難しいです。彼らの事情を知ったところで多磨さんを殺した犯人は出てきませんよ、、」
「そうだな。捜査しなおしだ。何か変化がないか様子見だ。」
「ならその前に喫茶店いきますか。」
「そうだな。明日から榎本はダウンするからな。」
「ワクチンの副反応が絶対でるとは限りませんよ。」
「あぁ。知ってる。じゃぁ行こうか。」
こうして2人はPORENに向かった。
「あ、どうもご無沙汰しています。」
喫茶店で偶然安藤源次郎と出会った。その隣には見慣れた女性が座っている。
「警部どうされました?」
「そうか、君は初めましてになるのか。彼は西英製薬の研究科一類の現在の長の源次郎さんだ。」
「どうも、源次郎です。」
「あ、どうも。ということは、勇気さんの弟さんですね。」
「あぁ。兄のことをご存じでいらしたんですね。」
「はい、丁度さっき、澤部さんの父から話を伺ってました。ところで、そちらの女性は、、」
「あぁ。妹です。美里って言います。」
「あぁ、美里さんそうだ思い出した。」
そう。安藤美里は名古屋駅殺傷事件の時、古藤の元カレで話をしたことがあった。
「腐れ縁ですね。」
「そうですね。この前はありがとうございます。」
「いえいえ。こちらこそ、捜査の協力ありがとうございます。」
こうして4人はコーヒーを口にした。
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次回3月04日 事実の把握 5月07日公開
お楽しみに。
この物語はフィクションです。
名古屋殺し_Nagoya Killing 宙丸 賢斗 @kerumafu
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