第3話 愛しの萩尾望都先生

 萩尾望都先生、「ポーの一族」や「トーマの心臓」「十一人いる」

代表作を数えたらきりがないほどですね。


小さなころから、マンガ好きな私が、萩尾先生の漫画で一番好きなのは、

「小夜の縫う浴衣」です。


子供のころ買った本は、もうすべてないのですが、記憶には漫画の断片が残っています。


この漫画が記憶に残ったのは、小夜のお母さんの言葉です。

「贅沢してるわけでは無いし、浴衣ぐらい。」

お母さんは、小夜が小さなころから小夜の成長に合わせ浴衣を縫う、女性でした。


小夜のおかぁさんは、交通事故にあいます。

小夜と小夜のお兄ちゃんはお家で待っている状態です。そこに近所のおばあちゃんが来て、心配そうにしている小夜のお兄ちゃんの頬を軽くたたきます。「大丈夫、あんたたちのお母さんはまだ若いんだから、死ぬはずがない」

でも、お母さんは交通事故で亡くなってしまいます。


初盆の送り火の中、小夜の御父さんは小夜にたずねます。

「浴衣、買うか?」

その言葉に小夜はだまって、首を横に振るのです。

もう私の手元には本は残ってませんし、書きましたことは記憶の断片です。


小夜は中学生になり、夏休みの宿題は浴衣を縫うことです。お友達と浴衣を縫い始めます。


小夜が手にしたのは、お母さんが小夜のために用意した浴衣地。小夜はそれを手に取り、

「小夜は十四歳、もう自分で浴衣を縫えるようになったよ」たしか、そんなセリフで、漫画は閉じられていたと思います。





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