第2話 捨て猫です。どうぞ拾ってください。
「こんにちは。 捨て猫です。どうぞ拾ってください!!」
あー、捨て猫ね。なるほどなるほど。
じゃあ拾おっかなー...
ってなるわけないだろ!!!!
「えっと、猫っていうか、人間だよね?」
「捨て猫です!!」
満面の笑顔でそう答える捨て猫(?)。
いや、明らかに人間だし。
つり目で赤い瞳。髪は白髪で所々にメッシュで黒髪が入っている。
それをリボンで2つに縛っている。
白いシャツに薄いカーディガン。
そして問題なのが猫耳のカチューシャとしっぽの様なものを付けていること。
「いや、人間だよな。」
「だから、捨て猫です。」
いや、意味がわからん。
ちゃんと横に丸っこい耳がついてるし、
というか服も着てるし。
「だってこれカチューシャでしょ、?」
その捨て猫(自称)に近づき、頭に付けている猫耳を取ろうとした瞬間。
「うわっー!!やめてくださいぃいぃ!」
涙目で訴えてくる猫(?)。
「 いや絶対それ偽物じゃん... 」
「そ、そんなことは無いのですっっ!!
むぎは、ちゃんと猫ですぅぅ!!」
「 ... むぎ? それ、君の名前、?」
俺がそう言うと、その猫(?)は、
ハッと思い出した様子で、
「はっ!忘れていました!!」
「えーっと、君の名前は、?」
「紬ですっっ!むぎとお呼びください!!」
どうやら彼女の名前は
なにやら色々聞けそうなのでそのまま質問攻めしてみることにした。
「苗字は?」
「猫だからないです。」
「...へー。」
「あっ!今絶対何言ってんだこいつって思ってますよね!?むぎは猫ですよ!!」
「はいはい。えーっと、歳は?」
「んー、人間で言うと小学生くらいでしょうか、」
たしかに見た目は小学生くらいだ。
「なんで、ここに来たの?
...というかなんでダンボールの中に入ってたの?」
「特に理由は無いのです。家に誰もいなかったからここに来たのです。」
「...ここに来た?捨て猫なんじゃないの?」
「...あ!騙しましたね!!!?」
両手を振り回しながら怒るむぎに俺は
ふふん、と得意そうにする。
「やっぱ所詮は小学生なんだな、俺は下にかわいい妹がいるから小さい子の扱いは慣れてるんだ。」
「だーかーらー!!小学生ではないのです!小学生くらいって言ったのです!!!」
益々涙目になり、顔を真っ赤にして怒る
むぎ。
「ははっごめんな、むぎはかわいいな。」
頬膨らませている仕草が可愛くてつい頭を撫でてしまう。
「ぅえ!? か、可愛くはないのですっっ
撫でないで下さいっっっ!!」
「ごめんごめん、というかいつまでその中にいるんだ?」
1時間くらい話しているのだがむぎはダンボールの中から一向に出てこない。
「あぁ、それもそうですね。ずっとダンボールの中にいたのでつい。」
わざとらしく舌を出し、下手くそなウインクをする。
「ウインク出来てないぞ。」
「うるさいですねっっ細かいことはいいのですっっ!!」
少々怒りながらゆっくりとダンボールの中から出てくるむぎ。
その様子をじーっと観察する俺。
やっぱりどう見ても人間なんだよなー...
「...ここに座っていいですか?」
「...」
「あ、あの、そんなじーっと見ないでください...」
「...」
「唯さん!!?恥ずかしいのですっっ!!」
「っえ?、今俺の名前...」
「...ま、まぁ猫なのでそこら辺は知っているのです...、」
腰に両手を当て、目を泳がせるむぎ。
「なんで俺の名前を知っているんだ?」
「...猫なので。」
「理由になってないんだが?おい」
「...猫なので、、」
10秒間ぐらいずーっとむぎのことをみていると。
「あぁもう!!分かりましたよ!!」
どうやら話してくれる気になったらしい。
完全見た目小学生の女の子がダンボールの中に入って現れたのでとりあえず拾って愛でて、その上あわよくば他の女の子とイチャイチャしようと思います。 佐藤 na² @sato_02
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