第2話 私が何故このようなことに!?
小さな部屋のベッドの上に、少女が眠っていた。
窓からは光が差し込み、鳥がチチチ、と鳴いている。朝日に照らされて、少女は気持ち良さそうに微笑む。
「アイナー、早くおきなさいねー。」
優しく、柔らかな声が聞こえてきた。
私は目を覚ます。ぼやけていた視界が、徐々に焦点を合わせていく。
「今日は、アイナが大好きなシチューよ♪」
「ん?アイニャ?」
"
!、!!!!
アイナって!あの忌々しいド平民じゃない!
しかも、うまく呂律がまわらないわ!
"
「ふふ、お寝坊さんね。おいで、髪を整えて
上げるわ。」
"
どういうことなのかしら?あの女性の服は私の家のものではありませんね。
なんと言うか、地味ね。とにかくこの状況を把握しなければ!忌々しいド平民のなで呼ばれるのは癪に触りますが…
仕方がないですわ。
とりあえず今は、あの女性のいう通りにしましょう。何か分かるかもしれませんし…
"
そう考えたフェルディーンは、小さな足でベッドを降りる。
"
ん?小さな足?……………!!!
私は縮んでしまったのかしら!どうなってしまったの?この小さな足は私の足?
"
次々に降りかかる謎に困惑を隠せないフェルディーン
「アイナ?大丈夫?」
「ぅ、うん だいちょぶですわ」
「そぉ?ふふ、何?お嬢様みたいじゃない」
"
そうよ!私は令嬢なのよーーー!
"
「おはなちでよんだの!」
"
ここは適当にいっておくべきかしら
"
「まだ4歳なのに、今からお嬢様になるのか
しら?可愛いわね~(*≧з≦)」
よちよちと歩いて、女性の所まで行く。
「あぁぁ、可愛いわぁ~ 良い子ね。
向こうの部屋でおめかししましょうね。
今日は領主様にお会いするのよ」
「りょうしゅちゃま?」
「そう、りょうしゅちゃま、ふふ」
"
ここは領主が治めてるのね。なら平民の地…
小さな村かしら?
ド平民のアイナを思い出すわ。
同じ境遇だなんて、最悪ね。 はぁ
"
女性に連れられて、向かいの部屋にはいる。
あまり広いとはいえない部屋だが、綺麗にされている。部屋には、化粧台と服箪笥がある。
女性は、服箪笥の中からいくつか服を取り出した。
「これが可愛いわね。アイナっぽいわ。」
その中の一つ、ピンクをベースにした、白いレースのついた服だ。
"
なんだか、子供っぽくて質素な感じだけど…
まぁ、可愛いらしいわね。
"
「さぁ、次は髪の毛よ。綺麗にするわ。」
女性は椅子を引くと、私をそこに座らせる。目前に置かれた鏡から、今の自分をよく見る。よく……見る
「ふぇぇ!」
「ど、どうしたのアイナ?」
"
鏡に映るこの顔、幼くて丸っこいですが、あの、憎きアイナの顔ですわ!私を地獄に落とした女の顔、間違えませんわ!まさかとは思ってたけど、最悪の予感が当たりましたわね
"
濡れ衣がかかった自分に、婚約破棄を申し立て、皇子の心を自分から引き剥がした憎い女、アイナの顔が目前の鏡に映っていた。
悪役令嬢である私がある日突然小さな少女になっていました! @niconiconi_co
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