悪役令嬢である私がある日突然小さな少女になっていました!
@niconiconi_co
第1話始まり
こんなことになるなんて…
私が、こんな、こんな、あり得ない!
「リン!紅茶を!落ち着くものを今すぐ用意して」
綺麗な肌に真紅の唇、女性の理想の体型を持つ、まさに女神のような彼女の口からは、透き通った芯のある声と共に荒ぶった感情が漏れる。
「かしこまりました。フェルディーンお嬢様」
落ち着かない様子の彼女の側に控えていた侍女は、彼女の命に従う。
「忌々しい平民の分際で、私に皇子との婚約を破棄しろどなんて、ぶをわきまえるべきですわっ!」
「お嬢様、落ち着いてください」
「これが落ち着いていられると思いまして?はらただしい!」
彼女、フォント・フェルディーンは、王家にもっとも近い身分とされる公爵令嬢である。
その美貌と美しい声で多くのものを魅了してきた。
両親に愛され、なに不自由なくくらしてきた。
そんなある日、フェルディーンの通う高貴魔術学院にアイナという平民出が編入してきた。皇子は、アイナに惹かれていき、やがて婚約者であるフェルディーンに話すことは減っていった。フェルディーンは皇子を思っていたこともあり、アイナをよく思わなかった。
フェルディーンがアイナに嫉妬してかなりひどいいじめをしたと周りには思われたが、そうではない。
フェルディーンを取り巻く令嬢達が陰でアイナをいじめていたのだ。勘違いをしたアイナは、皇子にその事を伝え、皇子との婚約を破棄しろとフェルディーンに申し立てたのだ。
フェルディーンの取り巻きの令嬢達は、アイナ側に寝返ってしまった。
「私はなにもしていませんのに!只、皇子を愛していただけなのに!」
理不尽な状況に、腹の底から怒りの感情が湧いてくる。
気持ちを落ち着かせるように、紅茶の入ったティーカップに口をつける。
すると、めまいを覚え、ひどい頭痛がフェルディーンを襲った。
薄れていく意識…
"
まさか、リン!
あなたまで………私を……!
"
そこで意識は切れた。
深い闇に、フェルディーンの意識は沈んでいった。
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