ティーブレイク ~ヤンキーな計量器~

 パンやお菓子を作るにあたって、材料を正確に計るというのはとても重要なことである。

 お菓子作りをする人はきっと、デジタル式の計量器を使っていることだろう。私が使用しているものは、0.1まで計ることができるので便利なのだが、こやつ、ヤンキーなのである。

 例えば、油を計るとする。5gきっちり計りたい。4.8、4.9……5.0! と、なったのを確認し、油が入っているボトルを定位置に戻し、再び計量器をみると「4.9」になっているのである。

 あれ、おかしいな。

 私は再びボトルを持って来て、計量器を見る。すると「5.0」になっている。


 ——どういうこと?


 私はまたまたボトルを戻して計量器を見てみる。すると「4.9」になっている。


 ——……見間違い?


 私は再びボトルを持って来て、計量器を見る。「5.0」になっている。


 ——……貴様、私に喧嘩を売っているのか?


 と、思わず時代劇風の口調になる私。でも、これは本当にあった話で、何回かに一度は起こっている現象である。


 特にこういうことが起こるのが、油とイーストの計量のとき。計量器にとっても計るのが難しいのだろうか。今、イーストは3gで一包のものを使っているのだが、2gしか使わない。それで2回分使って、余った1gずつを合わせて使おうと思って、袋に余ったイーストをそれぞれ全部出したら「2.1g」という表記になった。

 ……何で?

 0.1g多い表記、ということは、その前に使った時0.1g少ない分量だった、ということだろう。

 だんだん作り方を覚えてきて作業がスムーズに進むようになっても、材料を計るところでこんな寸劇が繰り広げられているので、無駄に時間がかかってしまっている。

 計量器よ、頼むから。その数字になったらピタッと止まっておくれ……という切実な話なのであった。



<お知らせ>

6回目の米粉パンの写真を近況ノートに掲載しました。

https://kakuyomu.jp/users/Pleiades_Yuri/news/16816927860819655993


7回目の米粉パンの写真を近況ノートに掲載しました。

https://kakuyomu.jp/users/Pleiades_Yuri/news/16816927860819691793

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