第16話 7回目
6回目と同時並行して行った、7回目の材料である。
<材料>
・米粉(製菓用)……80g
・白玉粉……20g(粉になっていないので、細かく砕く)
・きび砂糖……5g
・ドライイースト……2g
・塩……1g
・お湯……75g(37度)(実際に使用した量)
・米油……5g
白玉粉を使ったのは、偶々家にあったからである。ハンドブレンダーに付いて来たレシピ集に「ポンデケージョ」というお菓子の作り方があって、丁度それに白玉粉が使われていたのである。そして材料も余っていたことから、白玉粉を使ってみようと思ったのだった。
ちなみに、白玉粉は葛澱粉と同様、細かい粉になっていないので、事前にハンドブレンダーで細かく砕いている。
7回目の作り方は、白玉粉と葛澱粉の違いだけなので、作る過程は全く同じである。
生地を混ぜ終えたら、型に流し込み、ラップをする。6回目の型と共にオーブンに入れ、発酵を行う。今回も様子を見ながら、15分程度で1.5倍になったようだったので、取り出し常温で発酵を行う。その間にオーブンを160度に予熱。
発酵が終わりアルミホイルなどを被せた後、オーブンの予熱が完了したところで型を入れる。
この後の過程も5回目と全く同じである。
ただ、最後に200度で15分焼くとき、オーブン用シートだけ外さないでそのまま焼いた。4回目に焼いたとき、表面(パリパリ・カリカリ)と中身(柔らかい)の固さが違っていたので、乾燥を防ぐためである。ちなみにレシピにも、この焼き方は載っていて、最終的に真っ白いパンが出来上がる。
――チンッ!
さて。とうとうついに、6回目と7回目が完成した。
どうなっただろうか。
私はオーブンから2つの型を取り出し、それぞれ上に被せてあったオーブン用シートを外す。こ、これは……今までで一番いい気がする!
私は6回目の方を千切って食べてみた。
おお! パンっぽい! 味もいい感じである。
きめは粗い。しかし、今までで一番それに近かった。
また、最後までオーブン用シートを被せていたので、中身との食感の違いがそれほどの差ではなく済んだようだ。ただ、下の方が火力が強かったせいか、ちょっとカリカリしてしまっている。これは今後の課題だろう。
ふわふわ感もある。いい感じだ。
製菓用の米粉と葛澱粉で作った米粉パンの正解が、きっとこれなんじゃなかろうか。私はそう思う。そして正直なところ、この材料で作ったときの限界を感じた。
レシピにある米粉パンの写真を見ると、もう少しきめが細かいし、ふんわりもっちりとした食感のようだ。確かに、「ふんわりもっちり」はあるけれど、それは似て非なるもののように思えた。そして、私が挑戦してきた米粉パンの限界だ。
――やはり、製パン用の米粉を買って、作ってみるしかない。
と、思うのだった。
ちなみに、白玉粉を使った方も千切って食べてみたのだが、思わず笑ってしまった。
味が白玉粉なのである!
そりゃ、白玉粉を使っているのから当然なのだろうが、これほどまでに主張してくると思わなかった。只々、白玉だんごが形を変えて出てきたみたいである。
正直美味しくはない。食感ももちもち感が強くて、パンではない。香ばしい感じもない。白玉粉! ただそれだけである。
言ってしまうと、新たな境地の代物である。白玉パン? いや、パンではないから……もち? いや、それも違う。何と言ったらいいのだろう……どこかに当てはまりそうでいて、どこにも属さない感じだ。
ただ一つ分かっていることは、これを好きだと言う人はいないだろう、ということは確かだ(物好きはいるかもしれないが……)。
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