第3話 不回避

とうとう、私たちの中でキャプテンが決められることとなった。

今までは、交代制でやっていたのだ。

キャプテンは、Mちゃんとなった。有力候補は、Rちゃんだったが、私がH先生にこの前での帰り道でのことを話したのだ。なぜか、涙が出たのだ。その事を話す時に。演技だったのか?自分でもよく分からない。



大会前日の練習で副顧問のO先生に、ディグ(レシーブから、スパイクを打つ流れの練習)

をしている時、前衛だった私はスパイクを打つため助走をとっていると、O先生にお前は打たないんだからカバー(スパイカーにトスをあげること)しろっと言われた。私は、自分がスパイカーを打つと思われていなかったのが悔しく、ぶっきらぼうに返事してしまった。

O先生がチクったのか翌日の大会から、私はスタメンから外された。代わりに後輩Sが入っていた。何も言われず試合前の公式練習 で練習に入れさせて貰えなかった。正直、後輩Sは、挨拶もしなかったし、技術もそこまでなかった。私は、自分が悪いことをしたと思えなかった。そのまま一日後輩と応援だけをしてすぎた。

特に顧問の先生から話しかけられることもなかった。そこから、練習の時はたまに後輩Sと交代してディグをしていた。私は、悔しくなかった。ただ、スタメンのメンバーを圧倒させたいと思い、サーブに打ち込んだ。一ヶ月後、ディグで、サーブを後輩と向こう側のコートから打っていた。サービスエス(サーブを上手くレシーブできず、ボールが地面に落ちること)を何本とったのだろうか。私のサーブの技術は、格段に上がっていた。正直、スタメンのいちばん上手いRちゃんから、サービスエスをとれ、その時のRちゃんの顔がたまらなかった。それでもH先生は、私をスタメンには戻さなかった。




ついに、私たちにとって最後の大会が来たのだ。

もちろん私はスタメンではなかった。

後輩Sのサーブの時だけ交代するような感じだった。正直、負ければいいとさえ思っていた。2日目に残れることをかけた試合は、いつも勝っているi中学校だった。しかし、その日はミスが多く私たちは負けた。

負ける瞬間はキャプテンのMちゃんのミスだった。私たちは、入賞すらせずに3年間が終わった。同級生はみんな泣いてる中、私は涙なんて何も無かった。もう乾ききっていた。清々した。部活に阻まれない日々は最高だった。


入らなければよかったとさえ思った。そうすれば、ゲームも勉強も出来、いい高校に入れたのに。と。


その時思い出した。辛い日々を。

最後の大会に向けてきつい練習が続く中、私は怪我をしていた。しかし、同級生みんなもしていて、最後の大会ともあり、みんな顧問の先生には話していなかった。私も話さなかった。しかし、予想以上に足は、もたず、先生に呼び出された。やる気がないのかと。私は怪我をしていることを言うつもりは無かった。本当は試合に出たかったから。今思えばいえばよかったのだと思う。冬の日、外で半袖半ズボンで突っ立ったまま1時間半話は続いた。


もうバレーボールは、したくないと思った。見るのさえ嫌になっていた。私はバレー部のメンバーにも、H先生にも必要以上に話さなかった。

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wang? otoha @chisakiki

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