第8話 結末

 シバンはホンボの将として軍を率いていた。シバンは優秀で、2年もしないうちに川の外側のほとんどを征服した。

 川の外側のペクーニャ最後の村を攻め落とす際には、中州からも多数の援軍が送られ、ホンボ人とペクーニャ人の戦力差は1:5にもなった。だが最後には多くのペクーニャ兵が川沿いに追い詰められて身投げした。

 そう。熱帯雨林で他の民族を追い詰めたときのように。

 あの時は仕方ないと思った。が、今回もそうだろうか。


 その戦いが決め手となり、ペクーニャ人はホンボに降伏した。


 それと同時にシバンは軍をやめた。きっかけはフィシリエだ。

 彼女はシバンの様子を見て、ずっと軍を止めるよう言い続けた。彼女は母の言葉を覚えていた。


「二人で支え合って生きて」


 守られたばかりだった彼女は、兄を支えようとどこまでもついていった。最初は届かない言葉も、しだいに彼を正常に戻していった。

 そして、


「シバン。あなた一人に全てを背負わせてごめん。もう降ろしていいんだよ。あなたは十分やったよ。これからは私が支えるから。」


 とフィシリエが泣きながら言ったのを聞いたシバンは涙を流して謝った。

 その後、罪を償って死のうとしたシバンを止めたフィシリエは、二人であてのない旅へ出た。



 ホンボとペクーニャ、両者結の末は、川の内側はペクーニャ人の土地として保つことになり、ペクーニャ人は毎年収穫量の10分の1の麦をホンボ人に支払うこととなった。


 戦いの後からペクーニャ人はホンボをと呼ぶようになった。


 意味は、侵略者。

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侵略者たち かくらー @kacrer

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