第2話 在庫検索イミハナシ
一面真っ白な地球。外に面白いことなんてなーんにもない、裏側ってほんとに帰ることができるのかしら??
「……他の人と一緒に暮らすとかできるわけなくない??」
「いや……やらないといけないのは分かってるんだけど……。」
それにしても、どうしようか
「私が!こーーんなに歩き回らなきゃいけないのは!地球が自力で動けないからなんだ……。」
そう、地球のせいだ。
本来私たちの大半は地球の裏側に住んでる。けど、地球がピンチになると地球に駐在してる(???)カタワレ(????)が私たちを呼び出し手を打つことになるのだ。今回は……というか今回も何やら大きい石がぶつかってきてそれが原因の冷気でいろいろなものがなくなるのでその前に私たちで冷凍保存しちゃおう。というものらしい。
色んなとこに連絡して決めるらしいからそんな「冷凍保存しちゃお☆」なんてものでもないとは思うけど。
しかも、しかもだその色んなとこに連絡しちゃうから解凍の時が来たら説明するために冷凍した本人じゃない私はほとんど勉強。
勉強だけならまだしも、一族の方針として地球で過ごす際の伴侶は国籍が被らないようにとかある。多分その時代のきちんとした言語を習得するチャンスとか思って決めたんだと思う。そんなわけで裏側入口周辺こと北極から歩いて日本へ来たわけだ。
「……くそぅ……こんなことになってるなら定期的にきておけば……」
歓迎なんてされていない、建物の入り口が雪で塞がっている。
「今なんかちょっとしか振ってない……し!太陽もずっと疑似展開してるのに……!もうっ!」
しかし疑似展開なのだ。疑似品には疑似品としての限界点がある。芸術的にはないのもあるが。
そんなこんなで入口を塞ぐものを除いて中に入ると目の前には検索機とどでかい棚、棚棚……うんざり……げんなりするほかない。
「もういいや!」
「おばあちゃんもお母さんも子供は体外受精とか言ってたしー適当に選んじゃ……いや、でも日本は私好きな方だし……歴史とか好きな人がいいな……生ける辞書的な。」
「えーとー、性別は……どうでもいい……よくないかな?よくない……?いいや男で。」
「んーで、趣味が……本?文献?これどっちがいいんだろう……。」
飛ばそう。
「年齢は、20〜35と。」
「はぁ、彼女・婚姻歴……とりあえず婚姻歴ない人にしてあげよ。」
ここまで入力してはたと思う。これはあまり意味がないのではないか、多すぎる、だめだ。
「いいや!走ってて足止まっちゃうくらいの人にしよう!」
宇宙船:地球 ひざし便り @kyuratya
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