第2話

あの日以来、俺は平凡な毎日を送っていた。


つまらない教室の片隅で雨の音を聞きながら、探偵小説を読んでいた。


俺と違い、メリーはめちゃくちゃコミュ力が高い。


休み時間になれば、メリーの周りには人だかり。

俺といる時は、ほぼほぼ無表情だが、学校にいるあいだは満面の笑みでクラスメイトに対応している。


「山田はマジで天使だよなぁ。かわいくて、頭もよくて、俺の彼女にしてぇ。なあ、シズ」


俺に話しかけてくるのは、同じボッチ仲間の田島だ。


「シズはいいよなぁ、幼馴染だろ?いいなぁ」


「目がいっちゃってるぞ」


とても、クラスメイトを見るような目ではなかった。


こうして、また平凡な毎日が送られると思われたのだが・・・



突如、校内放送が流れた。


「緊急事態です。ただいま、校舎内に散弾銃をもった2人組が乱入しました!ただちに、避難をしてください!」


クラス内が一斉にザワメキはじめた。


それもそのはず、どこに散弾銃をもったやつらが何階にいるかわからない。ちなみにこの教室は3階の一番奥の教室。ここまで、来られると逃げるすべがない。

教室内に緊張が走る。




ぱんっぱんっぱん


遠くの方で銃声が聞こえた。クラスの1人が


「散弾銃なんだよな?なんで単発打ちの音が聞こえるんだよ」みるみる顔が青ざめていく。


メリーが静かに口を開いた


「複数人の犯行・・・」


みんな、静かになり、その場に座り込んだ。


ぱぱぱぱんっ、ぱんっ、ぱんっ


下の階から、銃声がはっきり聞こえた。叫び声がここまで聞こえる。


「・・・もう、終わりダァ」


肩を落とし、泣き崩れる者。友達同士で励ましあっている者。

絶望的状況。どうすることもできないのか・・・


メリーが立ち上がり


「私、やっつけてくるわ」


俺はすかさず


「無理に決まってるだろ?この状況だぞ?!」


周りからも、反対の声がおしよせる。


「私・・・強いから」


クラスメイトの静止を振り切り、金髪の髪をなびかせながら、教室を後にした。


危険な香りしかしないが俺もメリーのあとを追うことにした。












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

カッコいい友達 クウドタモン @Bluebell39

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ