カッコいい友達

クウドタモン

第1話

俺はこれまで「死にたい」と思ったことは一度もなかった。

・・・今日までは。

きっかけは仲良いとおもってた友達からの

裏切り。当時俺はクラスのやつからイジメを受けていて、それにあやかってなのか、友達と思ってたやつらが急に、あだ名→苗字に変わるもんだから、裏切り感がハンパなかった。


そんなある日、イジメの件もあってなにもかも嫌になり、解放されてた屋上に赴いた。

茜色に染まった夕日がビルの隙間から微かに覗いていた。


死ぬには絶好のロケーションだった。


柵に手をかけ跨がろうとした瞬間。ちょっとと話しかけられ、振り向くと、腰まで伸びた金色の髪をなびかせ不機嫌そうな顔で俺の後ろに立ち


「なに・・・してるの・・・」


「見てわからないの?これから死ぬところなんだから邪魔しないでくれよ」俺は柵を越えた。


下を覗くとキラキラした高校生たちが部活やら友達とはしゃいでいるのが見えた。もう・・・いやだ


アイツはため息をつくと


「死んでどうする?これじゃあ、アイツらの思うツボじゃん。そんなんで自分が楽になったつもり?


・・・死ぬってつまり逃げること。現実逃避となんら変わらない。死んだところで何も変わらないのよ」

「五月蝿い。俺は逃げていない。ただ現実が嫌になっただけだ」

「それが・・逃げなの」

するとメリーは俺の方に近づき、ギュッと抱きしめた。

「メリーは、いつどんな時も、キミの味方だからね」


そう言い残すと、俺をヒョイと持ち上げその勢いで柵の内側に移しかえると、手を引っ張られ屋上をあとにした。





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